マイクロソフト、広告付き無料Xbox Cloud Gamingを間もなく開始か:新たな収益モデルとプライバシーへの影響

広告付き無料Xbox Cloud Gamingの導入

マイクロソフトは、広告付きの無料Xbox Cloud Gamingサービスの提供を間もなく開始する準備を進めている模様です。The Vergeの報道によると、同社はすでに社内でのテストを開始しており、従業員が一部のタイトルをGame Passサブスクリプションなしで無料でプレイできる状態にあるとのことです。

この動きは、より多くのユーザーにクラウドゲーミングを普及させるための戦略の一環と見られますが、その代償として広告が導入されることになります。

サービス内容と利用制限

内部テストの情報によれば、無料版のXbox Cloud Gamingでは以下の内容が提供される予定です。

  • プレイ可能なゲーム:ユーザーが所有する一部のゲーム、Free Play Days対象タイトル、Xbox Retro Classics。
  • 広告形式:ゲーム開始前に約2分間のプレロール広告が表示されます。
  • 利用制限:セッションは1時間まで、月間合計で最大5時間まで無料で利用可能とされています。ただし、これらの制限は正式ローンチ時に変更される可能性があります。
  • 対応プラットフォーム:PC、Xboxコンソール、携帯デバイス、およびウェブブラウザを通じてアクセス可能となります。

マイクロソフトは、近日中にパブリックベータテストを開始し、数ヶ月以内にサービスを本格的にローンチする計画です。

背景とセキュリティ・プライバシーの懸念

この無料版の導入は、Xbox Game Passの刷新と同時期に行われます。Game Pass Ultimateプランの価格改定や、Cloud Gamingのベータ終了、有料プランでの1440p解像度対応といった機能強化が進む中で、無料版の提供は新たな収益モデルの確立とユーザー層の拡大を目指すものと考えられます。

マイクロソフトの幹部からは、約2年前から広告付きバージョンの構想が示唆されており、Xbox Cloud Gamingのアクセシビリティ向上への言及も度々ありました。

しかし、セキュリティニュースの観点からは、広告の導入がユーザーのプライバシーに与える影響が懸念されます。広告表示のためにはユーザーデータの収集と分析が不可欠であり、これによりターゲティング広告が強化される可能性があります。無料サービスと引き換えに、ユーザーがどの程度のデータ共有に同意することになるのか、また、そのデータがどのように管理・保護されるのかが、今後の重要な焦点となるでしょう。利用制限も、単なるリソース管理だけでなく、ユーザーの行動データを収集するための戦略的な側面を持つ可能性も指摘できます。


元記事: https://www.theverge.com/report/791213/xbox-cloud-gaming-free-ad-supported-version