デジタル体験最適化市場に新たな巨頭誕生
プライベートエクイティ企業であるEverstone Capitalは、インドのWingifyとフランスのAB Tastyを統合し、年間収益が1億ドルを超えるデジタル体験最適化プラットフォームを構築すると発表しました。この動きは、デジタル体験ツール市場における統合の動きを加速させるものであり、顧客はマーケティング、製品、成長チーム全体でAIを活用できる統合ソリューションを求めています。
この統合された事業は、グローバルで4,000以上の顧客にサービスを提供し、収益の約90%を米国とヨーロッパから得ることになります。チームは北米、ラテンアメリカ、ヨーロッパ、アジア太平洋地域にまたがります。
戦略的統合の背景とAIへの投資
Everstoneは昨年1月、Wingifyの支配的株式を2億ドルで取得しており、今回のAB Tastyとの組み合わせは、同社のプラットフォーム構築戦略の一環です。WingifyとAB Tastyは、A/Bテストとパーソナライゼーションの分野で長年「友好的な競争相手」として事業を展開してきました。
Wingifyの共同創設者であるSparsh Gupta氏は、合併後の新会社のCEOに就任し、将来的にはAI主導の機能により深く投資していくと述べています。顧客体験を損なうことなく、プラットフォームの奥行きを徐々に拡大していく方針です。
Everstoneは、今回の取引の一環として、かなりの追加資金を投入しており、これは主にAB Tastyの資本構成を整理し、両事業を単一のプラットフォームの下に統合することを目的としています。具体的な財務条件は開示されていませんが、現金と既存リーダーシップへの株式ロールオーバーが含まれているとのことです。
新経営体制とグローバル展開
統合後の新会社は、両組織から選ばれた幹部によるエグゼクティブチームによって率いられます。Sparsh Gupta氏がCEOを務めるほか、以下の主要な役割が発表されました。
- Ankit Jain(Wingify共同創設者): Chief Product and Technology Officer
- Rémi Aubert(AB Tasty共同創設者): Chief Customer and Strategy Officer
- Alix de Sagazan(AB Tasty共同創設者): Chief Revenue Officer
新会社の従業員数は合計で約800人となり、世界11か所にオフィスを構えます。本社はニューデリーに置かれ、今回の合併によるレイオフは計画されていないとGupta氏は強調しており、コスト削減ではなく「現時点での価値創造」に焦点を当てていることを示しています。
市場での競争と今後の展望
この統合により、新会社はOptimizelyやAdobeといった市場の主要プレーヤーと競合することになります。WingifyのVWOとAB Tastyの製品提供を組み合わせることで、テスト、機能提供、AI主導のパーソナライゼーションにおいて業界で最も包括的な製品を提供することを目指します。
Everstoneは引き続き新会社の過半数の株式を保有し、取締役会において過半数の議決権を持つことになります。また、業界の専門家やオペレーターからなる諮問委員会を通じて、追加的なサポートを提供する予定です。
エンタープライズSaaS分野では、プライベートエクイティ主導のM&Aが活発化しており、AI対応のスケールされたプラットフォームを構築する動きが加速しています。今回の統合は、この広範な市場トレンドに合致するものです。
