テスラ、2年連続の業績低迷:EV市場のリーダーシップに陰り

業績の現状と厳しい数字

電気自動車(EV)大手テスラが、2年連続で売上高と利益の減少を記録し、厳しい局面を迎えています。2025年第4四半期の純利益は8億4,000万ドル、売上高は249億ドルとなり、売上高は前年同期比で3%減少、利益に至っては61%もの大幅な減少となりました。

通年で見ても、2025年の純利益は38億ドル、売上高は948億ドルで、2024年と比較して3%の減少となっています。ウォール街のアナリスト予想(売上高247億9,000万ドル)はわずかに上回ったものの、その数字は同社の課題を浮き彫りにしています。

EV市場の競争とリーダーシップ喪失

この業績低迷は、テスラが世界最大のEVメーカーとしての地位を中国のBYDに譲り渡した直後に発表されました。BYDが226万台を販売したのに対し、テスラは年間約160万台の販売にとどまり、前年比で8.5%の減少を記録しました。特に第4四半期には、連邦税額控除の失効を見越して第3四半期に購入が集中したため、顧客への納車台数が15.6%減少しています。

一方で、グローバルEV市場全体は2025年に20%成長しており、テスラの不調とは対照的な動きを見せています。しかし、中国市場の低迷、補助金の縮小、さらにはトランプ政権によるEV補助金政策の転換といった政策変更により、2026年のEV販売成長率は鈍化すると予測されています。

停滞の背景:製品と競争環境

テスラの業績悪化の背景には、モデルラインナップの陳腐化と、レガシー自動車メーカーや中国企業からの競争激化があります。市場には多様なEVが登場し、消費者の選択肢が増える中で、テスラの製品群は新鮮味を欠いているとの指摘も出ています。

イーロン・マスクの影響とブランドイメージ

イーロン・マスクCEOの論争を呼ぶ政治的姿勢も、販売不振の大きな要因とされています。彼が自身のソーシャルメディアプラットフォーム「X」で拡散する人種差別的な右翼の陰謀論、トランプ大統領就任式でのナチス式敬礼、そして世界的 humanitarian aid プログラムを削減する物議を醸すDOGEプロジェクトへの関与といった行動は、伝統的にリベラルな顧客層の離反を招き、100万台以上の販売機会損失につながったと推計されています。

将来への展望と大胆な目標

マスクCEOは、テスラが直面する困難を認めつつも、AIとロボティクスへの投資が最終的に同社を再浮上させると信じています。特に、ロボットタクシーと人型ロボットの開発に期待を寄せています。彼は2025年末までに米国人口の50%がテスラのロボットタクシーにアクセスできるようになると予測していましたが、現状ではオースティンとサンフランシスコの一部顧客に限定的に提供されているに過ぎず、予測は大幅に誇張されていたことが明らかになっています。

また、マスクCEOは株主から巨額の報酬パッケージの承認を得ました。これにより、彼が世界初の兆万長者となる可能性も浮上していますが、そのためには100万台のロボットとロボットタクシーの生産、そしてテスラの株主価値を7.5兆ドルに引き上げるという、極めて野心的な目標を達成する必要があります。


元記事: https://www.theverge.com/transportation/869603/tesla-q4-2025-earnings-revenue-profit-musk-robotaxis