AIサイバー脅威への高まる懸念
AI(人工知能)技術の急速な進化は、同時に新たなサイバー脅威の増大を招いています。これに対し、トランプ政権はAI産業と政府間の連携を強化するため、AI分野に特化した情報共有分析センター(AI-ISAC)の設立を進めています。2026年2月3日、ワシントンD.C.で開催された情報技術産業評議会(Information Technology Industry Council)のイベントで、国土安全保障省サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁(CISA)のサイバーセキュリティ担当エグゼクティブ・アシスタントディレクターであるニック・アンダーセン氏がこの進捗を明らかにしました。
アンダーセン氏は、「政権はAI産業を支援し、情報共有を促進することに全力を尽くしている」と述べ、この関係性を「正しく構築する」機会を捉えたいと強調しました。
AI-ISACの目的と異例の重要性
トランプ大統領のAI行動計画(AI Action Plan)では、DHS、商務省のAI標準イノベーションセンター、およびホワイトハウスの国家サイバーディレクター室に対し、AI-ISACを設立し、「米国の重要インフラセクター全体でAIセキュリティ脅威情報およびインテリジェンスの共有を促進する」よう求めています。
このAI-ISACは、特定のインフラセクターではなく、特定の技術(AI)に特化した初のISACとなる点が画期的です。これは、AIセキュリティがすべてのセクターに横断的に影響を及ぼす問題であるという政府の見解を反映しています。
- AI企業は脅威に関する情報を交換し、政府にその調査結果を報告することが期待されます。
- 連邦機関は、洗練されたフィッシング攻撃、自律型マルウェア、AIモデルの脆弱性といった新たな脅威について、企業やインフラ事業者に迅速に警告できるようになります。
設立プロセスと今後の展望
アンダーセン氏によると、AI-ISACの設立には具体的なタイムラインは設定されていません。しかし、現在、実施に向けた草案メモが省庁間のプロセスを経て検討されており、複数の選択肢が考慮されています。政府は、業界が「別の並行グループ」を設立する必要性を感じないよう、AI-ISACを「正しく」構築することを目指しており、最適なアプローチについて政策対話が進行中です。
CISAのその他取り組み
アンダーセン氏は、CISAのポートフォリオにおける他のトピックについても簡潔に更新情報を提供しました。サイバーインシデント報告規制に関する発表が「近いうちに」行われる見込みであること、また、CISAがDHS本部と協力して人員不足を解消するための採用イニシアチブに取り組んでいることに言及しました。
さらに、新しい重要インフラパートナーシップ諮問委員会(CIPAC)フレームワークについては、2006年のCIPAC設立時以降のインフラセキュリティ環境の変化を反映すると説明しました。新たなフレームワークは、運用技術や海底ケーブルのセキュリティなど、特定の問題に対処するためのテーマ別ワーキンググループの開催をCISAに許可し、これまでの枠組みでは声が届きにくかったインフラ事業者との連携強化を目指します。
元記事: https://www.cybersecuritydive.com/news/ai-isac-us-government-update-cisa/811281/
