はじめに：子供のオンライン安全を守る「Young Minds App」
2025年10月5日、TechCrunch Disrupt 2025にて、子供たちのオンライン安全と教育に特化した革新的なアプリ「Young Minds App」が発表されることが明らかになりました。このアプリは、親が子供のインターネット利用を管理しつつ、子供のプライバシーを保護し、健全なオンライン習慣を教えることを目指しています。
創設者の思いとアプリ開発の背景
「Young Minds App」は、英国の起業家であり二児の母でもあるNino Dvalidze氏によって設立されました。Dvalidze氏は、他の親たちとの会話を通じて、インターネットが教育や探求、人とのつながりにおいて「非常に役立つ」一方で、子供たちをオンラインの危険から守ることへの共通の懸念を抱いたことが、アプリ開発のきっかけになったと語っています。
「Young Minds App」の主要機能
このアプリには、ペアレントアプリとチャイルドアプリの2つのバージョンがあります。ペアレントアプリは、親がスクリーンタイムの制限を設定したり、特定のコンテンツを制限したりする機能を提供しますが、子供のデバイス上のすべての通信を監視する機能はありません。Dvalidze氏は、「安全を最低限の基盤としています。子供たちの目に触れるべきではないものが、彼らに届かないようにする必要があります」と述べています。
アプリはまた、なぜ特定のコンテンツがブロックされたり、危険とフラグ付けされたりするのかを子供たちに教えるように設計されています。スクリーンタイムの管理機能も充実しており、特定のルーティンを設定したり、「学習モード」（Duolingoのような教育アプリのみを許可）や「クールダウンモード」（睡眠を妨げる可能性のあるアプリや使用を制限）といった特定のモードをカスタマイズして利用できます。
AIを活用したセキュリティとプライバシー保護
「Young Minds App」は、AIを使用して子供のタブレットやスマートフォンの使用状況をスキャンし、潜在的に有害なコンテンツを検出してフラグ付けします。特筆すべきは、同社がユーザーデータを保存しないというプライバシー重視の姿勢です。ただし、iOS版については、Appleの制限により「回避策」として、親の同意を得て一部の情報を保存・分析するとのことです。
さらに、親自身もアプリ内のチャットボットを利用して、特定のサイトやアプリの潜在的なリスクについて学ぶことができます。
提供状況と今後の展開
現在、「Young Minds App」はAndroid版が提供されており、iOS版は来週ローンチされる予定です。iOS版は、プラットフォームの制限によりAndroid版とは若干異なる機能を持つものの、Dvalidze氏は「回避策」を講じていると説明しています。
TechCrunch Disrupt 2025での詳細発表
「Young Minds App」の詳細については、2025年10月27日から29日までサンフランシスコで開催されるTechCrunch Disrupt 2025のStartup Battlefieldにて、Dvalidze氏自身がプレゼンテーションを行う予定です。このイベントでは、他にも多数のスタートアップがピッチを行い、著名なゲストスピーカーが登壇します。