主要な変更点:開発者モードの利用条件を厳格化
Spotifyは、開発者向けAPIの「開発者モード」の利用ポリシーを大幅に変更しました。これにより、開発者がサードパーティ製アプリケーションをテストする際の要件が厳格化されます。主な変更点は以下の通りです。
- プレミアムアカウントの必須化:開発者モードを利用するためには、Spotifyのプレミアムアカウントが必須となります。
- テストユーザーの制限:各アプリケーションで利用できるテストユーザー数が、これまでの25人からわずか5人に削減されます。
- APIエンドポイントの限定:利用できるAPIエンドポイントの数も制限されます。
- 拡張クォータ申請の厳格化:より広範なユーザーベースでアプリケーションを提供したい開発者は、拡張クォータの申請が必要となり、その条件もより厳しくなります。
変更の背景:AIと自動化によるリスク増大への対応
Spotifyはこれらの変更の理由として、AIと自動化技術の進歩が開発者アクセスの利用パターンとリスクプロファイルを根本的に変えたことを挙げています。同社は、現在の規模において、これらのリスクに対処するためにはより構造化された制御が必要であると説明しています。
また、開発者モードは「個人が学習し、実験するためのサンドボックス環境」であり、「Spotify上でビジネスを構築または拡張するための基盤として依拠すべきではない」と強調しています。
廃止されるAPI機能と開発者からの批判
今回の改定では、複数のAPIエンドポイントが廃止されます。これにより、開発者は新譜リリース情報、アーティストのトップトラック、特定の市場でのトラック利用可能性などの情報を取得できなくなります。さらに、トラックのメタデータの一括取得や、他のユーザーのプロフィール詳細、アルバムのレーベル情報、アーティストのフォロワー数、アーティストの人気度などのデータも利用できなくなります。
Spotifyは過去にもAPIアクセスに制限を加えており、2024年11月にはユーザーのリスニングパターンに関するAPIや、トラックの構造、リズム、特性へのアクセスを制限しました。また、2025年3月には拡張クォータの申請要件を厳格化し、法人登録、月間アクティブユーザー25万人、主要市場での展開、アクティブなサービスの運営などを求めています。
これらの度重なる変更は、開発コミュニティから「イノベーションを阻害し、個人開発者よりも大手企業を優遇している」との強い批判を招いています。Spotifyの方針転換は、今後開発者エコシステムにどのような影響を与えるのか注目されます。
