Amazon Alexaアプリ、使い勝手の悪化でユーザーがSiriへ移行
長年AmazonのAlexaアプリでショッピングリストを管理してきたユーザーが、最近のアプリデザイン刷新と「Alexa Plus」の導入により、利便性が著しく低下したため、AppleのSiriとリマインダーアプリへの移行を余儀なくされていることが明らかになりました。
これまでAlexaは、音声でのアイテム追加、Echo Showでのリスト表示、スマートフォンでのアクセスといった利便性から高く評価されてきましたが、今回の変更がユーザー体験に大きな影響を与えています。
UXを損なう「Alexa Plus」と広告の侵食
今回の問題の核心は、AmazonがジェネレーティブAIアシスタント「Alexa Plus」をアプリの中心に据えたことにあります。これにより、従来のシンプルだったショッピングリスト機能に以下のような変更が加えられ、使い勝手が悪化しました。
- 広告の増加:ショッピングリストにWhole Foodsの広告が表示されるようになり、ユーザーは不要な情報に直面しています。
- アイテム追加の複雑化:以前は簡単だったアイテム追加が、現在では最大6回のタップを必要とするまでに手順が増加しました。
- チャットボットの干渉:ショッピングリスト画面の最下部に表示される「Ask Alexa」というチャットボットは、ユーザーが直感的にそこにアイテムを入力しようとするのを誘発しますが、実際にはリスト追加ではなく「バターのガイド」といった情報提供に終始します。
- ウィジェットにも影響:iPhoneウィジェットを使用しても、Whole Foodsの広告やAlexa Plusが強制的に表示され、シンプルな操作を妨げています。
AmazonはWhole Foodsの広告表示について「短期的なテストの一環だった」と説明していますが、ユーザーは依然として複雑な操作を強いられています。
冗長な応答とSiriへの「不本意な」回帰
さらに、Alexa Plusは音声コマンドにおいても冗長な応答を示すようになりました。例えば、「アレクサ、ショッピングリストにサワークリームを追加して」と指示すると、「そのクリーミーな美味しさはすでに在庫があるようですね!」といった余計なコメントが返ってくることがあります。ユーザーはAlexaに対して応答を簡潔にするよう繰り返し求めてきましたが、この過剰なコミュニケーションがユーザーのストレスを増大させています。
これらの問題を受け、ユーザーは「Siriも名前を呼ぶのが煩わしい」としながらも、「少なくとも私のショッピングリストはすっきりしていて、広告がない」として、AppleのリマインダーアプリとSiriに切り替えることを選択しました。
AmazonのAI戦略とユーザー体験の代償
今回のAlexaアプリの再設計は、Alexa PlusをChatGPTやGeminiのような「汎用AIアシスタント」として普及させたいというAmazonの戦略の一環です。AmazonのAlexaおよびEcho担当副社長であるDaniel Rausch氏は、「Alexaへの直接アクセスを音声とタイプ入力でよりシンプルにするため」と説明しています。
しかし、このAI優先の戦略は、ユーザーが長年信頼してきたAlexaの基本的な利便性を犠牲にしていると指摘されています。シンプルなショッピングリスト機能すらも満足に提供できない現状は、Amazonが目指す「汎用AIアシスタント」としての地位を確立する上で、大きな課題となるでしょう。
元記事: https://www.theverge.com/tech/874792/the-alexa-app-is-so-bad-im-using-siri-again
