Netflixの新境地:死後に公開されるインタビュー番組『Famous Last Words』
Netflixは、著名人のインタビューをその人物の死後に初めて公開するという、画期的なコンセプトを持つ新ドキュメンタリーシリーズ「Famous Last Words」の配信を開始しました。このユニークな番組の初回エピソードは、先日逝去したとされる著名な霊長類学者、ジェーン・グドール氏のインタビューが特集されています。
番組の司会は「アメリカン・ホラー・ストーリー」の共同制作者であるブラッド・ファルチャックが務めています。彼はインタビュー中に過去形での質問を投げかけ、被験者に対して「あなたはもう亡くなっている」と告げるという、独特の演出で臨んでいます。これにより、故人が生前には語られなかったであろう、より率直で遠慮のない意見を引き出すことを狙っているようです。
グドール氏、最後のインタビューで世界のリーダーたちに辛辣なメッセージ
ジェーン・グドール氏のインタビューは、生前の彼女の率直な姿勢をさらに際立たせる内容となっています。特に注目されるのは、彼女が特定の世界のリーダーたちに対して向けた、非常に辛辣なコメントです。
グドール氏はインタビューの中で、「嫌いな人々がいるのは確かで、彼らをマスク氏の宇宙船に乗せて、彼が発見すると確信している惑星に送り込みたい」と発言しました。彼女が名指ししたのは、イーロン・マスク、ドナルド・トランプ、ウラジーミル・プーチン、習近平国家主席、そしてベンヤミン・ネタニヤフ首相とその極右政権です。
これらの発言は、故人がもはや世間の反発を気にする必要がない状況で、極めて率直な意見を表明した事例として、大きな波紋を呼ぶ可能性を秘めています。
ポスト・モルテム・メディアの倫理と影響
「Famous Last Words」のような番組形式は、故人の言葉が検閲なしに、あるいは生前には語られなかった形で公開されるという点で、メディア倫理や情報の影響力について新たな議論を提起します。特に、グドール氏のような国際的に影響力のある人物が、死後にこれほどまでに政治的・社会的に敏感な発言を行うことは、国際関係や世論形成に予期せぬ影響を与える可能性も秘めています。
このような「最後の言葉」が持つ情報としての重みと、それが社会や政治の安定性に与えうる影響は、広義の「セキュリティニュース」としての側面からも無視できないポイントと言えるでしょう。今後、この番組がどのような議論を巻き起こすのか、注目が集まります。
元記事: https://www.theverge.com/news/792477/jane-goodall-netflix-famous-last-words