EV充電インフラを巡る新たな米国製要件
トランプ政権は、電気自動車(EV)充電インフラ整備プログラム「National Electric Vehicle Infrastructure (NEVI)」の連邦資金を受けるための新たな「バイ・アメリカン」要件を発表しました。これにより、EV充電器の米国製部品比率を現在の55%から100%まで引き上げることが求められます。この動きは、以前に凍結が試みられたNEVIプログラムを再び停滞させるための戦術と見られています。
業界からの強い懸念と現実との乖離
この提案に対し、業界団体や環境保護団体からは強い懸念の声が上がっています。Zero Emissions Transportation Association(ZETA)のエグゼクティブ・ディレクターであるアルバート・ゴア氏は、「この提案は現在の業界の実情に合致せず、米国でのEV充電器製造における雇用の伸びを阻害する可能性がある」と述べています。
現在のEV充電機器のサプライチェーンは、大部分が中国に集中しており、現在稼働しているEV充電ステーションで材料および部品の100%が米国製であるものは存在しません。Plug In Americaの政策ディレクターであるイングリッド・マルムグレン氏によると、筐体、ケーブル、最終組み立ての多くは米国で行われているものの、電力モジュールや高度な電子部品は世界中から調達されているのが現状です。
Sierra Clubのキャサリン・ガルシア氏は、この提案を「NEVIを頓挫させ、議会が全米のために資金を投じた不可欠なインフラの整備を阻止する悪意ある試み」と強く批判しています。
インフラ停滞の懸念と「隠された目的」
EV推進派は、米国製部品の段階的な増加には賛成するものの、現時点での100%義務化は不可能であり、「米国の製造能力とはかけ離れている」と指摘しています。この政策は、EV充電インフラ整備の実質的なモラトリアムとなり、米国がクリーン交通オプションの導入において世界から遅れを取ることを意味する可能性があります。
記事は、トランプ政権の真の目的は、EV充電プログラムを阻止し、よりクリーンな燃料代替案の推進努力を制限することにあると分析しています。もし米国におけるEV充電器製造を本当に奨励したいのであれば、企業が国内で製造を構築するための、より現実的なタイムラインとインセンティブが提供されるべきだと論じています。この提案により、NEVIプログラムは再び事実上凍結され、各州で始まったばかりの充電ステーション設置計画に大きな影響を与えることが予想されます。
元記事: https://www.theverge.com/transportation/876703/trump-ev-charging-buy-american-nevi-funds
