CBSニュース、Substack系メディア「The Free Press」に買収され編集長交代:報道の自由と政治的影響

CBSニュース、Substack系メディア「The Free Press」に買収、新編集長にBari Weiss氏就任

Paramountは、Substackから始まった独立系メディア「The Free Press」を1億5000万ドル(現金および株式)で買収しました。この買収の一環として、The Free Pressの創設者であるBari Weiss氏がCBSニュースの編集長に就任することが月曜日に発表されました。この動きは、メディア業界における大きな変化であり、特に報道の独立性政治的影響の観点から注目されています。

The Free PressとBari Weiss氏の経歴

The Free Pressは、Bari Weiss氏が2021年にSubstackで「Common Sense」として立ち上げたニュースレターが発展したものです。同社は「かつて偉大なアメリカのジャーナリズムの礎であった理想に基づいている」と標榜しています。過去1年間で収益は82%増加し、購読者数は150万人に達し、そのうち17万人が有料購読者という急成長を遂げています。

Bari Weiss氏は、The Free Pressを立ち上げる前は、2013年から2017年までThe Wall Street Journalで論説・書評編集者を務め、その後The New York Timesで論説編集者兼ライターとして、トランプ政権の最初の任期中に保守系コラムニストの陣容を拡大する役割を担いました。彼女は2020年に「非自由主義的な環境」を理由にNYTを辞任しています。

買収の背景にある政治的圧力と報道の多様性要求

Weiss氏のCBSニュース編集長就任は、トランプ政権がメディアに対して行ってきた政治的圧力と密接に関連しています。以前、CBSは2024年の民主党大統領候補カマラ・ハリス氏とのインタビューを放送した後、1600万ドルの法的和解金を支払うことになりました。

さらに、ParamountとSkydanceの合併が承認される条件として、政府はCBSに対し「政治的・イデオロギー的スペクトラム全体からの多様な視点」を放送するよう要求しました。これは実質的に、より保守的なコンテンツの増加を求める政府からの要求であり、Weiss氏の任命はこの要求を満たすものと見られています。トランプ政権は、ABC、The Wall Street Journal、The New York Timesなど、他の主要メディアにも同様の圧力をかけてきた経緯があります。

今後のCBSニュースと報道の自由への影響

Bari Weiss氏は、CBSニュースの編集長を務めながら、引き続きThe Free Pressの運営も継続します。彼女は「あらゆるスペクトラムからの声を増幅させる」と表明しており、今後のCBSニュースの編集方針、報道の独立性、そして言論の自由にどのような影響を与えるか、その動向が注目されます。


元記事: https://www.theverge.com/news/792752/cbs-news-paramount-the-free-press-acquisition-bari-weiss