最高裁、Googleの申し立てを却下:Androidアプリストアに迫る変革
最高裁判所は、Epic Gamesとの訴訟においてGoogleが求めていた執行停止の申し立てを却下しました。これにより、GoogleはAndroidアプリストアのポリシーに関する重要な変更を、2025年10月22日までに実施しなければならなくなりました。Googleは引き続き上訴する意向ですが、この期限は上訴審理よりも前に到来します。
背景:Epic Games対Google訴訟の経緯
今年8月、GoogleはEpic Gamesとの訴訟で二度目の敗訴を喫し、Androidエコシステムを「開放」し、アプリ開発者に自社の決済システムの使用を強制する慣行を停止するよう命じられていました。この判決は、Googleがアプリ開発者に対して、Google Play Billing以外の決済方法を許可し、アプリのダウンロードをPlayストア外のリンクから可能にすることを求めるものでした。
最高裁の決定とその影響
今回、最高裁がGoogleの部分的な執行停止申し立てを棄却したことで、恒久的な差し止め命令が引き続き有効となります。これにより、Googleは以下の変更を今月中に実施しなければ、法廷侮辱罪に問われる可能性があります。
- Googleがアプリ開発者にGoogle Play Billingの使用を強制することを停止する。
- Android開発者が、Playストア内でユーザーに他の支払い方法について通知することを許可する。
- Android開発者が、Playストア外からアプリをダウンロードする方法へのリンクを許可する。
- 開発者が独自の価格を設定できるようにする。
- Google Playの独占性やプリインストールと引き換えに、携帯電話メーカー、通信事業者、アプリ開発者との間で金銭や特典の共有を停止する。
- Googleが競合するアプリストアをGoogle Playに導入するためのシステムを構築するにあたり、Epicと協力して紛争を解決する。
Epic Gamesは、Googleがこれらの要件に準拠する期限を2025年10月22日と明言しています。EpicのCEOであるティム・スウィーニー氏は、「10月22日以降、開発者は米国のGoogle Playユーザーを、手数料、警告画面、摩擦なしにアプリ外決済に誘導する法的権利を得るだろう。これは米国のApple App Storeユーザーと同じだ!」と述べています。
GoogleとEpicの反応
Googleは、これらの変更を上訴審理中に実施する計画があるかどうかを明言していませんが、広報担当者のダン・ジャクソン氏は、同社が法的義務を遵守すると述べました。しかし、ジャクソン氏は「Androidは、他のどのモバイルOSよりもユーザーと開発者に多くの選択肢を提供しており、米国地方裁判所が命じた変更は、ユーザーが安全にアプリをダウンロードする能力を危険にさらすだろう」と懸念を表明しています。
一方、Epicは、Googleが裁判所命令の共同技術委員会で協力しているかについての質問にはすぐには回答しませんでした。
今後の展望
Googleは、2025年10月27日までに最高裁に上訴する予定ですが、これは変更実施の期限後となります。当初差し止め命令を出したジェームズ・ドナート地方裁判所判事は、10月30日にGoogleとEpicに対し、命令への遵守状況を説明するよう求めています。期限が過ぎた後でも、最高裁がこの訴訟を取り上げる可能性は依然として残されています。
元記事: https://www.theverge.com/news/793610/google-epic-android-supreme-court-stay-denied
