Apple、テキサス州の年齢確認法遵守に向けApp Storeの変更を発表

テキサス州の年齢確認法とAppleの対応

Appleは、テキサス州の「App Store Accountability Act (SB2420)」を遵守するため、同州のユーザーおよび開発者向けにApp Storeの変更点を発表しました。この変更は2026年1月1日から施行されます。

ユーザーと開発者への影響

テキサス州のユーザーは、Appleアカウント作成時に18歳以上であるかどうかの確認が求められます。18歳未満のユーザーのアカウントは、ファミリー共有グループへの参加が必須となり、保護者はApp Storeでのダウンロード、アプリ購入、アプリ内課金すべてに対して同意を提供する必要があります。

開発者向けには、Appleは「Declared Age Range API」を更新し、テキサス州の新しいアカウントユーザーに必要な年齢カテゴリを提供する予定です。また、開発者が保護者の同意を再取得するためのシステム体験を呼び出すAPIも提供されます。保護者は、未成年者がアプリを使用するのを防ぐために、同意を撤回することも可能になります。

Appleのプライバシーに関する懸念

Appleは、ユーザーの年齢確認に必要なデータ収集を理由に、テキサス州やユタ州、ルイジアナ州などの年齢確認要件に反対してきました。Appleは、SB2420がユーザーに個人を特定できる機密情報(PII)の共有を強制することに対し懸念を表明しています。これは、天気予報アプリやスポーツのスコアを確認するだけのアプリをダウンロードする場合でも適用されます。

Appleは、「子どものオンライン安全強化という目標は共有しているものの、SB2420が、たとえユーザーが単に天気やスポーツのスコアを確認したいだけでも、アプリをダウンロードするために機密性の高い個人を特定できる情報の収集を要求することで、ユーザーのプライバシーに影響を与えることを懸念している」と述べています。

Appleのティム・クックCEOは、グレッグ・アボット・テキサス州知事に法案への拒否権行使を求めたと報じられていますが、アボット知事はこれを拒否し、5月に法案に署名しました。テキサス州法は、アプリストアプラットフォームに対し、アカウント作成時にユーザーの年齢を判断するために「商業的に合理的な検証方法」を使用することを義務付けていますが、この「商業的に合理的な方法」が具体的に何を意味するのかは定義されておらず、Appleもその検証方法を具体的に明示していません。

広範な児童保護対策と今後の展望

Appleは、州ごとに異なる児童保護法に対応するため、2025年初頭に新たな児童安全対策を導入しました。これには、更新された年齢評価システム、保護者による子どものアカウント設定の簡素化、App Storeでの子ども向けコンテンツの変更、そしてプライバシーを重視した「Declared Age Range API」の開発が含まれます。このAPIは、開発者が子どもの生年月日などの具体的な情報を知ることなく、アプリユーザーの年齢範囲を確認できるように設計されています。

Appleは、App Storeレベルで生年月日などの情報を収集することに一貫して反対しており、それは年齢制限のあるアプリを使用するかどうかにかかわらず、すべてのユーザーがその情報を提供する必要があるためだと主張しています。


元記事: https://www.macrumors.com/2025/10/08/app-store-changes-texas-age-verification/