VPN規制の波:オンライン年齢確認の強化がVPN利用を脅かす可能性

## オンライン年齢確認の強化とVPNへの脅威

世界中でオンライン年齢確認の要件が厳しくなる中、VPN(Virtual Private Network)の利用が制限される動きが強まっています。これは、ユーザーのプライバシーとインターネットへの自由なアクセスを脅かす可能性があります。

## VPNの歴史と普及

VPNは、元々企業が安全に情報を送受信するために開発されました。1990年代に登場し、Microsoft、AT&T、Ciscoなどが初期の技術を開発しました。2001年にはOpenVPNが誕生し、より安全でオープンソースな代替手段を提供しました。

エドワード・スノーデンの暴露により、政府による大規模な監視が明らかになり、VPNの利用はセキュリティ意識の高い人々を中心に広まりました。特に、ストリーミングサービスの地域制限回避や、ISPによる閲覧履歴の追跡回避といった具体的なメリットも普及を後押ししました。

## オンライン年齢確認とVPNの利用

現在、各国でオンライン年齢確認を義務付ける法律が導入されています。これは子供の安全を守るための取り組みですが、同時に、ユーザーのプライバシーを侵害し、インターネットへの自由なアクセスを制限する可能性があります。

そのため、多くのユーザーがVPNを利用してこれらの要件を回避しようとしています。VPNは、位置情報を偽装したり、別の国からのアクセスのように見せかけることができます。

  • フロリダ州で成人向けウェブサイトへのアクセスに年齢確認が義務付けられた際、VPNの検索数が急上昇
  • イギリスでは、成人向けウェブサイトやReddit、Bluesky、Discordへのアクセスに年齢確認を義務付けたことで、モバイルVPNの利用が急増
  • オーストラリアでは、16歳未満のソーシャルメディア利用を禁止し、アダルトサイトへのアクセスに年齢確認を導入したことで、VPNの利用が増加

## VPN規制の動き

VPNの利用を制限する動きも出てきています。ミシガン州では、VPNのアクセス制限やアダルトコンテンツのブロック、トランスジェンダーに関するコンテンツの取り締まりを盛り込んだ法案が提案されました。ウィスコンシン州では、年齢確認法にVPNの禁止条項が含まれていましたが、反発を受けて削除されました。

イギリスの子供相は、VPNを「抜け穴」とみなし、規制の必要性を訴えています。フランスのデジタル担当大臣も、VPNを次の規制対象として挙げています。

## VPN規制の懸念点

VPNの規制は、ユーザーのプライバシーとセキュリティを損なうだけでなく、ビジネスや学生、人権活動家、ジャーナリスト、LGBTQ+コミュニティなど、VPNを利用して安全を確保している人々にも影響を与えます。

また、VPNの禁止は効果がない可能性もあり、ユーザーは他の方法でVPNの代替手段を見つけるでしょう。

VPNの規制は、アメリカ、イギリス、オーストラリアなどの国を、北朝鮮、ロシア、中国といった権威主義的な国家と同列にすることになるという懸念も存在します。

## 今後の展望

オンライン年齢確認の概念や実行にはまだ課題がありますが、法案は着実に前進しており、VPNへの脅威が増大しています。今後は、ユーザーのプライバシーとインターネットへの自由なアクセスをどのように両立させるかが重要な課題となります。


元記事: https://www.theverge.com/column/898122/online-age-verification-vpns