予測市場の巨頭が急伸:KalshiとPolymarketが巨額評価を獲得
予測市場の分野で、二つの主要プレイヤーであるKalshiとPolymarketが、相次いで驚異的な評価額を達成し、市場の注目を集めています。Kalshiは50億ドルの評価額で3億ドル超の資金調達を発表し、一方のPolymarketはニューヨーク証券取引所の親会社であるIntercontinental Exchange (ICE) から20億ドルの支援を受け、80億ドルの評価額に達しました。両社は昨年、大統領選挙の予測市場で一躍脚光を浴びました。
Kalshiの驚異的な成長と米国市場での地位確立
Kalshiの評価額は、わずか3ヶ月前の20億ドルから2.5倍に急増し、50億ドルに達しました。今回の資金調達ラウンドは、既存投資家のSequoia Capitalに加え、新規投資家のAndreessen Horowitzが共同で主導しました。Paradigm Ventures、CapitalG、Coinbase Venturesも参加しています。Kalshiは現在、140カ国の消費者がプラットフォームで取引できると発表しており、年間取引高は昨年のおよそ3億ドルから大幅に増加し、500億ドルに達する見込みです。同社は昨年、商品先物取引委員会(CFTC)を提訴し、米国でのサービス提供権を確保しています。
Polymarketの規制対応と米国市場への復帰
Kalshiの発表に先立ち、ライバルであるPolymarketも大きなニュースを報じました。同社は、わずか2ヶ月前の8月の10億ドルから、80億ドルのプレマネー評価額でICEから最大20億ドルの投資を確保したことを明らかにしました。Polymarketは2022年にCFTCとの和解により米国居住者へのサービス提供を停止していましたが、今年7月にデリバティブ取引所と清算機関を買収。この動きが米国市場への再参入を可能にし、先月にはCEO兼創業者のShayne Coplan氏がX(旧Twitter)で「PolymarketはCFTCから米国での稼働許可を得た」と発表しました。
予測市場における規制と市場の健全性
これらの予測市場プラットフォームの急成長は、規制当局であるCFTCとの複雑な関係の中で実現しています。Polymarketの事例は、規制遵守と市場の健全性確保が、予測市場プラットフォームの持続的な成長と米国市場へのアクセスにとって不可欠であることを明確に示しています。デリバティブ取引所と清算機関の買収、そしてCFTCからの「ゴーサイン」は、投資家保護と市場の透明性を確保するための規制の重要性を強調しています。また、KalshiがCFTCを提訴して米国でのサービス提供権を獲得したことも、この分野における法的・規制的枠組みが進化していることを浮き彫りにしています。これらの動向は、予測市場が金融市場の一部として成熟し、より厳格な監視と規制の下で運営されるようになる可能性を示唆しています。
