政府閉鎖下の異例のIPO強行
企業向け出張管理会社Navan(旧TripActions)は、米連邦政府が閉鎖されているにもかかわらず、10月10日金曜日に米国証券取引委員会(SEC)に更新されたIPO書類を提出し、64.5億ドル(約9,600億円)の評価額を目指して新規株式公開(IPO)を強行しています。
監視なき自動承認の利用
Navanは、政府閉鎖中にIPOを希望する企業が、株式数や価格設定を含む更新情報を提出し、20日以内にスタッフの精査なしに自動的に承認されるというSECの規則を利用しています。これにより、書類が有効と宣言され次第、ロードショーを開始できる見込みです。
しかし、この規則は、SECスタッフが後日質問をしたり、修正書類を要求したりする可能性を排除するものではありません。Navanはこの件に関してTechCrunchへのコメントを拒否しています。
通常、政府閉鎖はIPO市場を冷え込ませると考えられており、多くの企業はスタッフによる正式な承認を好むため、Navanのこの動きはテクノロジー業界から注目されています。スタッフによる精査が欠如している点は、投資家保護や市場の透明性において潜在的な懸念となり得ます。
IPOの詳細と財務状況
更新された提出書類によると、Navanは3,000万株の売却を計画しており、これに加えてインサイダーが700万株を追加で売却します。価格帯は1株あたり24ドルから26ドルに設定されており、上限価格では9億6,000万ドル以上を調達し、企業価値は64.5億ドルに達する見込みです。
同社はLightspeed、Andreessen Horowitz、Zeev Ventures、Greenoaksといった著名なベンチャーキャピタルに支援されています。直近12ヶ月間の売上高は6億1,300万ドル(32%増)でしたが、1億8,800万ドルの損失を計上しています。
