ChatGPTとSpotifyの連携開始
OpenAIは、開発者がChatGPT内で直接アプリケーションを構築できる新機能を発表しました。これにより、ユーザーはChatGPTにタスクの実行や質問への回答を直接依頼できるようになります。この新機能に対応したアプリの一つとして、音楽ストリーミングサービスのSpotifyが連携を開始しました。
ユーザーがChatGPTのプロンプトでSpotifyに言及すると、「この回答にSpotifyを使用する」というボタンが表示され、アカウントを接続するオプションが提供されます。この連携により、ChatGPTはユーザーの「いいね」やリスニング履歴などのデータにアクセスし、よりパーソナライズされた応答を生成できるようになります。
連携で可能になること
SpotifyアカウントをChatGPTに接続すると、ユーザーは自分の好みに基づいてトラック、アーティスト、プレイリスト、ポッドキャストのエピソードの推薦を依頼できます。例えば、特定のムードやイベントに合わせたプレイリストの作成、お気に入りのアーティストやジャンルのみを含めるリクエスト、さらにはプレイリストの希望する長さの指定も可能です。
さらに、ChatGPTはユーザーに代わってSpotify内で様々なアクションを実行できます。これには、再生の制御、ライブラリへのアイテムの追加や削除、プライベートプレイリストの作成・編集・フォロー、フォローリストの管理などが含まれます。提案されたトラックやエピソードをタップすると、Spotifyアプリが開き、直接視聴できるようになります。
プライバシーとデータ共有の懸念
この便利な連携機能の裏で、ユーザーはプライバシーとデータ共有に関する重要な点に注意する必要があります。Spotifyアカウントを接続する際、ユーザーはアプリのプライバシーポリシーに同意することになります。このポリシーには、データ共有とセキュリティに関する重要な情報が含まれており、もしChatGPTがセキュリティ侵害を経験した場合、ユーザーのデータが不正な第三者によってアクセスされるリスクがあると明記されています。
ChatGPTにアクセスを許可することで、ユーザーは再生中の曲やポッドキャスト、Spotifyライブラリに保存されているコンテンツ、フォローしているユーザーなどのデータに加え、IPアドレスやおおよその位置情報も提供することになります。
ユーザーが知るべきセキュリティ対策
幸いなことに、ユーザーはいつでもSpotifyアカウントの接続を解除できます。これにより、データ共有を停止し、プライバシーリスクを軽減することが可能です。また、Spotifyはブログ投稿で、アーティストやクリエイターのコンテンツをOpenAIのトレーニング目的で共有することはないと説明しており、プラットフォーム上のすべての音楽、ポッドキャスト、その他のオーディオまたはビデオコンテンツは保護されると述べています。
この機能は、ChatGPTの無料、Plus、Proユーザー向けに、ウェブおよびモバイルで145か国語で英語で利用可能です。Spotifyの無料ユーザーとプレミアムユーザーの両方が利用できますが、プレミアムユーザーはよりパーソナライズされた体験を得られるとされています。
その他のアプリ連携
Spotify以外にも、Booking.com、Canva、Coursera、Expedia、Figma、Zillowなど、多くの企業が自社のアプリをChatGPTに統合しています。これにより、ユーザーはCourseraで学習したり、Zillowで特定の価格帯の賃貸物件を検索したりするなど、様々なタスクをChatGPT内で直接実行できるようになっています。これらの連携においても、同様にデータ共有とプライバシーポリシーの確認が重要となります。