「AirPods Max 2」の登場が待たれる背景
Appleのオーバーイヤーヘッドホン「AirPods Max」が初代モデルの発売から約5年が経過し、次世代モデルへの期待が高まっています。2024年にはUSB-C充電ポートと新色が追加されましたが、これはあくまでマイナーアップデートに過ぎず、H2チップの搭載は見送られました。これにより、AirPods Pro 2で導入されたアダプティブオーディオなどの先進機能は、AirPods Maxでは利用できない状況が続いています。
期待される新機能とセキュリティへの影響
Appleのサプライチェーンアナリストであるミンチー・クオ氏によると、次世代のAirPods Maxは現行モデルよりも軽量化される見込みです。現在のモデルは386.2グラムと、プレミアムオーバーイヤーヘッドホンの中でも重い部類に入ります。
AirPods Pro 3で導入された以下の機能が、AirPods Max 2にも搭載される可能性が高いとされています。
- IP57等級の防塵・防汗・耐水性能:デバイスの耐久性を高め、物理的な保護を強化します。これは、日常使用におけるデバイスのセキュリティと寿命に貢献します。
- H2チップ:より高度なオーディオ処理を可能にし、それに伴う潜在的なセキュリティ機能の向上が期待されます。
- 2.4GHzおよび5GHz接続
- Apple Vision Proとのロスレスオーディオ対応
- 「Siri」音声コマンド
- アダプティブ・トランスペアレンシー、アダプティブ・オーディオ
- 大音量抑制、聴覚保護、聴力テスト、補聴器機能、会話ブースト、会話認識、ライブ翻訳
- U2チップによる正確な場所の特定(Precision Finding):紛失時のデバイス追跡能力を向上させ、セキュリティ面での安心感を提供します。
2027年までの登場を考えると、H3チップやIRカメラといったさらに先進的な技術が搭載される可能性も指摘されており、これによりさらなるセキュリティ機能の強化が期待されます。
長期化する開発の裏側
Bloombergのマーク・ガーマン氏によると、AirPods Maxの新しいモデルの登場が遅れているのは、このヘッドホンが「販売を中止するには人気がありすぎるが、新バージョンに多大な時間と費用を投じるほどではない」という商業的な「宙ぶらりん」の状態にあるためだと言います。Appleのオーディオチームは、イヤホン型AirPodsの年間アップデートと、他の製品へのオーディオコンポーネントのサポートに注力していると見られています。
また、ヘッドバンドのメッシュキャノピーの耐久性に関するユーザーからの不満や、ヘッドホンを低電力状態にするだけのSmart Caseの機能性への指摘から、デザインの刷新も期待されるポイントです。
まとめ
AirPods Max 2は、軽量化やAirPods Proの先進機能を取り入れることで、ユーザー体験を大きく向上させる可能性を秘めています。特に、U2チップによる精密な位置特定機能や、H2/H3チップによる処理能力の向上は、デバイスのセキュリティとプライバシー保護の観点からも注目されるでしょう。しかし、2027年という長期的なリリース計画は、競合他社との差別化や技術的な陳腐化のリスクもはらんでおり、Appleがどのような戦略で市場に投入するかが注目されます。
元記事: https://www.macrumors.com/2025/10/14/airpods-max-2-everything-we-know-2/