WhatsApp、未返信メッセージの送信制限を導入
WhatsAppは、スパム問題に対処するため、応答のないメッセージの送信数に制限を設ける新たな措置を導入します。この変更は、個人ユーザーとビジネスの両方に適用され、未応答のメッセージが月間送信制限にカウントされるようになります。
TechCrunchの報道によると、この制限は、会議で会った人に3通のメッセージを送っても返信がなければ、その3通が制限にカウントされるといった形で機能します。WhatsAppは具体的な制限数をまだ公表していませんが、テスト期間中に様々な制限数を試しているとのことです。ユーザーが制限に近づくと、アプリ内で警告が表示され、メッセージ送信がブロックされるのを防ぐことができます。
スパム対策の背景と詳細
WhatsAppは、当初は個人的な連絡手段として利用されていましたが、グループ、コミュニティ、ビジネスメッセージング機能の追加により、その利用形態は複雑化しました。これにより、ユーザーはこれまで以上に多くのメッセージを受け取るようになり、その中にはビジネスや不明な送信元からのスパムメッセージも増加しています。
WhatsAppは、この新機能について、平均的なユーザーが制限に達することはほとんどなく、通常のメッセージング体験には影響しないと説明しています。むしろ、この制限は、大量のメッセージを一方的に送信し、スパム行為を行う個人やビジネスを効果的に抑制することを目的としています。
これまでのスパム対策の取り組み
WhatsAppは、過去1年間にわたり、スパム行為を抑制するための様々なツールや保護策を導入してきました。主な取り組みは以下の通りです。
- 2024年7月: ビジネスがユーザーに送信できるマーケティングメッセージの数に月間制限を設けるテストを開始。
- 2024年: ユーザーがビジネスからのマーケティングメッセージの購読を解除できるオプションの提供を開始。これにより、ユーザーは必要な情報やサポートのみを受け取れるようになります。
- 今年初め: ユーザーやビジネスが送信できるブロードキャストメッセージの数に制限を設ける実験を開始。この実験は、インドを含む12カ国以上で拡大されています。
セキュリティニュースとしての重要性
今回のWhatsAppの措置は、プラットフォームの健全性を維持し、ユーザー体験を向上させるための重要なセキュリティ対策と見なせます。一方的な大量メッセージ送信は、フィッシング詐欺、マルウェア配布、情報操作などの悪質な行為に利用される可能性があり、今回の制限はこれらのリスクを低減する効果が期待されます。
特に、インドのようなWhatsAppが主要なコミュニケーションツールとなっている市場では、スパムや悪質なメッセージが社会に与える影響は大きく、今回の対策はユーザーのデジタルセキュリティ保護に貢献するでしょう。WhatsAppが今後もプラットフォームの悪用を防ぐための対策を強化していくか、注目されます。