導入と背景
Amazonは、Rivianのスピンオフ企業であるAlsoと提携し、カスタム設計されたペダルアシスト式の四輪カーゴバイクを導入する計画を発表しました。この新型車両「TM-Qクアッド」は、米国と欧州の都市部で「数千台」規模で展開される予定です。これは、AmazonとRivianが長年協力してきた電動配送バン(EDV)のパートナーシップに続く、新たな段階を示しています。
この大規模な導入は、都市配送における効率化を推進する一方で、新たなセキュリティ上の課題をもたらす可能性があります。
Amazonの戦略とセキュリティへの示唆
Amazonのグローバルフリート担当ディレクターであるエミリー・バーバー氏は、ペダルアシスト式eカーゴクアッドのようなマイクロモビリティソリューションが、交通量や騒音を削減しつつ、高密度な都市部での迅速な顧客配送を可能にすると述べています。Amazonは既に米国とカナダの都市で電動カーゴバイクを使用しており、この分野での革新を継続する意向です。
バーバー氏は「先進技術、安全性、性能機能」に言及していますが、特に「安全性」は、単なる運用上の安全だけでなく、車両や積載物の物理的なセキュリティ、さらにはデータセキュリティといった側面も含むと解釈できます。数千台規模の車両が都市を走行する中で、盗難、改ざん、またはサイバー攻撃に対する堅牢な対策が不可欠となるでしょう。
車両技術と潜在的なセキュリティリスク
AlsoのTM-Qクアッドは、同社の二輪eバイク「TM-B」と多くの機能を共有しており、特に「ペダル・バイ・ワイヤ技術」と「モバイル電源としても機能する着脱式バッテリー」が特徴です。
- ペダル・バイ・ワイヤ技術: このような電子制御システムは、悪意のある第三者によるサイバー攻撃の標的となる可能性があり、車両の制御が乗っ取られる、あるいは誤作動を引き起こすリスクが考えられます。
- 着脱式バッテリー: バッテリーの盗難や不正な交換、あるいはモバイル電源としての利用時に発生するデータ漏洩やマルウェア感染といったリスクが懸念されます。特に、バッテリーが配送ネットワークの一部として機能する場合、そのセキュリティはサプライチェーン全体の脆弱性となり得ます。
AmazonとRivianは、この大規模なマイクロモビリティフリートの展開において、これらの潜在的なセキュリティ脅威にどのように対処していくかが注目されます。
元記事: https://www.theverge.com/news/804889/amazon-rivian-also-tmq-quad-ebike-delivery