Khosla Ventures支援のMazama Energy、超高温地熱で24時間電力供給を目指す

画期的な超高温地熱井戸の発見

Khosla Venturesが支援するMazama Energyは、オレゴン州で世界最高温度となる地熱井戸の掘削に成功しました。この井戸は底部で629°F(331°C)を記録し、数千世帯に電力を供給できるほどの膨大なエネルギーを秘めていると報じられています。Khosla VenturesのVinod Khosla氏は、TechCrunch Disruptのステージでこの画期的なマイルストーンについて言及しました。

ギガワット規模の電力供給の可能性

Khosla氏によると、この単一サイトだけで5ギガワットのエネルギーを生産する能力があり、他のサイトではさらに大きな可能性を秘めているとのことです。従来の地熱井戸が数十メガワット規模であるのに対し、Mazama Energyの技術はギガワット規模、さらには100ギガワット以上の電力供給が可能であり、これは短期的にAIが消費すると予測される電力をも上回る規模です。同社は将来的にはさらに高温の750°F(400°C)の岩盤への掘削を目指しており、これにより1つの井戸から少なくとも25メガワットの電力を生成することを目指しています。これは現在の競合他社と比較して、1つの井戸あたりの発電量が約2~3倍に相当します。

地熱発電の進化とエネルギー安全保障への貢献

地熱発電自体は数十年前から存在しますが、ほとんどの発電所は温泉のように熱が地表近くにある浅い資源を利用していました。しかし、強化型地熱発電の開発者たちは、より深く掘削することで、より大きく安定した熱源にアクセスしています。この技術は、地熱発電の生産性を高め、より多くの場所で利用可能にすることを約束します。地球の熱を利用するため、強化型地熱発電は24時間365日安定した電力を供給でき、データセンターや電気自動車からの需要増大により電力網が逼迫する中で、その重要性が高まっています。Mazama Energyは、水を高温の井戸に注入することで、現在の地熱システムよりも75%少ない水で運用できると述べています。Khosla氏は、「450°Cでは、200°Cの井戸と比較して10倍の電力を得られる。しかも、炭素排出を心配することなく、天然ガスと同等のコスト競争力がある」と強調し、エネルギー安全保障と脱炭素化への大きな貢献を示唆しています。


元記事: https://techcrunch.com/2025/10/28/khosla-backed-mazama-taps-super-hot-rocks-in-race-to-deliver-24-7-power/