Uber、サンフランシスコでプレミアムロボタクシーサービスを開始
Uberは、2026年にサンフランシスコでプレミアムロボタクシーサービスを開始すると発表しました。このサービスは、Lucid Motorsの全電気SUV「Gravity」にNuroが開発した自動運転技術を搭載して提供されます。この動きは、自動運転分野で先行するWaymoの主要拠点であるサンフランシスコに直接乗り込む形となり、両社の競争が激化することが予想されます。
Uberの最高製品責任者であるSachin Kansal氏は、「ベイエリアは長年、革新的なテクノロジーの誕生地であり、LucidとNuroとのUberの次世代ロボタクシープログラムがここで始まるのは当然のことです」と述べています。Uberは今年初め、Lucidに3億ドルを投資し、今後6年間で少なくとも2万台のGravity SUVを購入する計画を発表していました。これらの車両にはNuroの自動運転システムが搭載され、Uberまたはそのサードパーティのフリートパートナーによって所有・運営されます。
Waymoとの競争激化と過去の経緯
サンフランシスコでのサービス開始は、UberとWaymoの関係に新たな緊張をもたらす可能性があります。両社は2018年に企業秘密窃盗事件で対立しましたが、その後和解し、今年初めにはオースティンとアトランタでロボタクシーサービスを共同で開始し、フェニックスではUberアプリでWaymoの車両を利用できるようにするなど、協力関係を築いていました。しかし、今回のUberの参入は、Alphabet傘下のWaymoが支配的な地位を築いているサンフランシスコ市場に直接挑戦するものであり、今後の動向が注目されます。
Waymoは、マウンテンビューに拠点を置き、サンフランシスコ・ベイエリアのほか、アトランタ、オースティン、ロサンゼルス、フェニックスで商用ロボタクシーサービスを運営しており、2026年にはさらに6都市での展開を計画しています。
技術提携とテスト体制
Uber、Nuro、Lucidはすでにテスト車両のフリート開発を進めています。Lucidは最近、Nuroに車両を納入し、Nuroはこれらの車両に自動運転システムを統合し、テストと検証を行っています。テストフリートは約100台に達する見込みです。公道でのテストが最も目に見える形となりますが、Nuroはシミュレーションや閉鎖されたコースでのテストも活用する計画です。
Uberの自動運転戦略
Uberは過去2年間で、自動運転技術企業との提携を積極的に進めてきました。Waymo、Nuro、Lucidとの提携は特に大規模なものですが、Uberは世界中で18社以上の企業と提携し、ライドヘイリング、デリバリー、トラック輸送など、自動運転システムの幅広い応用に取り組んでいます。今年だけでも、ミシガン州アナーバーを拠点とするMay Mobility、Volkswagen、そして中国の自動運転企業であるMomenta、WeRide、Baiduとの提携を発表しています。
