アフリカのデジタル変革を加速するVentures Platformの6,400万ドル調達

アフリカで最も活発なアーリーステージ投資家の一つであるVentures Platformは、第2号ファンド向けにこれまでに6,400万ドルを調達しました。最終的には7,500万ドルの調達を目指しており、特筆すべきはナイジェリア政府がその投資家の一員として加わったことです。これは、ナイジェリア政府がベンチャーキャピタルファンドに投資する初の事例であり、同国の急成長するスタートアップコミュニティにとって重要なマイルストーンとなります。

他の主要なリミテッドパートナーには、IFC、British International Investment (BII)、Proparco、Standard Bank、MSMEDA、AfricaGrowなどが名を連ねています。Ventures Platformは、2016年の設立以来、ナイジェリアの有望なスタートアップを発掘し、その成功を他のアフリカ市場にも広げようとしています。

フィンテックとAIへの投資がもたらす新たなセキュリティ課題

Ventures Platformは、主にプレシードおよびシードラウンドに焦点を当ててきましたが、今回の第2号ファンドではシリーズAへの投資も積極的に行い、より大きな所有権の獲得を目指します。同社は、フィンテック、ヘルスケア、アグリテック、エドテック、AIといった分野の「ペインキラー」ビジネス、すなわちサービスへのアクセスがほとんどない市場の課題を解決する企業に投資しています。

これらの分野、特にフィンテックとAIの急速な成長は、アフリカのデジタル経済に大きな恩恵をもたらす一方で、新たなセキュリティ上の課題も生み出します。金融取引のデジタル化は、データプライバシー、詐欺防止、サイバーセキュリティ対策の重要性をかつてないほど高めています。AI技術の導入も、その悪用リスクやシステムの堅牢性確保といったセキュリティ要件を伴います。

ポートフォリオ企業に見るセキュリティの重要性

Ventures Platformのポートフォリオには、Visaが出資するユニコーン企業MoniepointやStripe傘下のPaystackといったフィンテック企業が含まれています。これらの企業は、オンライン決済や中小企業向け銀行サービスを通じて、金融包摂を推進し、多くの小規模事業者がデジタル経済に参加できるよう支援してきました。

• MoniepointとPaystackは、オンライン決済や金融サービスを安全に提供するために、厳格なセキュリティプロトコルと高度な不正検出システムを導入しています。
• これらのサービスが「非消費」市場をターゲットにしていることは、これまでデジタルサービスに触れてこなかった層を巻き込むことを意味し、ユーザー保護と信頼構築のためのセキュリティ対策が極めて重要であることを示唆しています。

アフリカの成長とサイバーセキュリティの未来

アフリカのテックエコシステムは、2015年以降120億ドル以上の資金を調達し、その潜在力は世界的に注目されています。2050年までに世界の人口の4分の1がアフリカ人になると予測されており、GDP成長率も高いことから、「非コンセンサスなアルファ」（高リスク・高リターン）を求めるグローバルな資本配分者にとって魅力的な市場となっています。

しかし、この目覚ましい成長を持続させ、その潜在力を最大限に引き出すためには、サイバーセキュリティへの継続的な投資と意識向上が不可欠です。Ventures Platformのような投資家の活動は、アフリカのデジタル経済の発展を加速させる一方で、それに伴うセキュリティリスクへの効果的な対応が、今後の成功の鍵となることを明確に示しています。

元記事: https://techcrunch.com/2025/11/06/nigeria-backs-ventures-platform-as-seed-fund-hits-64m-first-close/