インド配車サービス「Rapido」がAccelとProsusから追加投資を獲得、市場での地位を強化

インド配車市場の競争激化とRapidoの戦略的動き

インドの配車サービス市場において、Uberの主要な競合である「Rapido」が、著名な投資会社であるAccelとProsusから新たな投資を獲得しました。これにより、Rapidoは激化する市場競争の中でその地位をさらに強固なものにしています。今回の投資は、インドの二輪車大手TVS MotorがRapidoの全株式を売却したことを受けて行われました。

TVS Motorは、AccelとProsusの投資部門であるMIH Investmentsに対し、Rapidoの全株式を28.8億ルピー(約3200万ドル)で売却したと発表しました。この売却により、TVS Motorは過去3年間で152%以上のリターンを得ることに成功しました。

投資の詳細と主要プレイヤー

2015年に設立されたRapidoは、インドの配車市場でUber、Ola、InDriveと競合する主要なプレーヤーへと成長しました。当初はバイクタクシーから始まりましたが、その後、オートリクシャーや自動車サービス、さらには宅配サービスへと事業を拡大しています。最近では、SwiggyやZomatoが支配するフードデリバリー市場への参入も試みています。

今回の取引では、AccelがRapidoの優先株11,997株を、Prosusが優先株11,988株と普通株10株をそれぞれ取得しました。両投資家はそれぞれ約14.4億ルピー(約1600万ドル)を支払っています。AccelはかつてOlaの初期投資家であり、今回のRapidoへの投資はインドの配車セクターへの再参入を意味します。ProsusはすでにRapidoの投資家であり、9月にはSwiggyが全株式を売却した際に、追加で株式を取得し、Rapidoの評価額を23億ドルに倍増させていました。

Rapidoの市場拡大と将来展望

Rapidoの事業拡大、特にフードデリバリー市場への参入は、既存の市場リーダーであるSwiggyやZomatoとの直接的な競争を引き起こす可能性があります。SwiggyがRapidoの株式を売却したのも、この潜在的な利益相反が理由とされています。

関係者によると、RapidoはAccelとProsusとの間で、来年にも新たな一次資金調達ラウンドを完了させるべく協議を進めているとのことです。この追加資金調達は、Rapidoがインドの多様なモビリティおよびデリバリー市場でさらに成長し、競争力を維持するための重要な要素となるでしょう。

投資家たちの戦略的視点

AccelとProsusによるRapidoへの継続的な、あるいは新規の投資は、インドのデジタルサービス市場における成長の可能性と戦略的な重要性を浮き彫りにしています。特に、急速に拡大する配車およびデリバリー市場において、Rapidoが持つ革新性と市場浸透能力が評価されていると考えられます。TVS Motorの成功したエグジットは、初期段階のスタートアップ投資がいかに大きなリターンを生み出すかを示す好例となりました。


元記事: https://techcrunch.com/2025/11/06/accel-backs-uber-rival-rapido-as-prosus-boosts-stake/