米国での価格改定、2024年7月以来初
ストリーミングサービス大手のSpotifyが、2025年第1四半期に米国でのサブスクリプション価格を引き上げる計画であることがFinancial Timesの報道で明らかになりました。これは2024年7月以来の米国での値上げとなります。同社は最近、英国、スイス、オーストラリアを含む他のいくつかの国でも価格を改定しています。
現在、米国でのSpotifyの月額料金は11.99ドルですが、14年前にサービスが開始された当初は月額9.99ドルでした。今回の値上げは、音楽ストリーミング業界における価格戦略の変化を反映していると言えるでしょう。
年間収益に大きな影響、レコードレーベルからの圧力も
JPMorganのアナリストは、米国での月額1ドルの値上げがSpotifyの年間収益を約5億ドル増加させる可能性があると試算しています。これは同社の財務状況に大きな好影響を与える可能性があります。
また、主要レコードレーベルは長らく、Spotifyを含む音楽ストリーミングプラットフォームに対し、価格引き上げを要請してきました。彼らは、料金がインフレ率に見合っておらず、Netflixのような他のサービスと比較しても低い水準にあると主張しています。今回の値上げは、こうした業界からの圧力に応える形とも見られます。
経営陣の変更に続く動き
今回の値上げ報道は、Spotifyの経営体制に大きな変化があった数週間後に報じられました。共同創業者であるDaniel Ek氏がCEOを退任し、Gustav Söderström氏とAlex Norström氏が共同CEOに就任することが先日発表されています。新体制の下で、同社がどのような戦略を展開していくのか注目されます。
