「ストレンジャー・シングス5」焦燥感あふれる最終章の幕開け
Netflixの象徴的なヒット作「ストレンジャー・シングス」の最終シーズンとなる「ストレンジャー・シングス5」の序盤が、性急なペースで物語を終結へと導いていると報じられました。Duffer兄弟がこの人気シリーズのフィナーレを構想するのに十分な時間を費やしたにもかかわらず、第5シーズンの冒頭は、まるで終点への猛レースのように感じられるといいます。
Netflixの軌跡を彩った「ストレンジャー・シングス」
「ストレンジャー・シングス」は、Netflix初のブレイクスルー作品ではありませんでしたが、その魅力的な物語で多くの視聴者を釘付けにし、ストリーミングサービスを新たなレベルのポップカルチャー的優位性へと押し上げました。1980年代へのノスタルジアは常に存在していましたが、本シリーズは、他のスタジオがDuffer兄弟の成功を再現しようと躍起になる、新たな潮流を生み出しました。
度重なる制作遅延が影響、最終シーズンへの道のり
しかし、シリーズの人気とは裏腹に、制作スケジュールは困難に直面しました。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによる制作遅延、そして2023年の脚本家組合ストライキがさらなる遅れを引き起こし、Netflixが最終シーズンへの熱狂を再び呼び起こすのは容易ではないだろうと懸念されていました。
物語の再構築と進化するキャスト
「ストレンジャー・シングス5」の最初の4エピソードでは、Duffer兄弟が過去の制作上の問題に対処しつつ、シリーズ開始前から計画していた物語のアイデアを探求しようとする努力が垣間見えます。シーズンは前作の直後から始まりますが、現実世界で経過した時間の長さが強調されており、若手キャストたちは見た目も雰囲気も大きく成長しています。
また、物語はウィル・バイヤーズ(ノア・シュナップ)に多くの時間を割き、彼がヴェクナとの戦いにおいてより大きな役割を果たすことを描写しています。同時に、シーズン1でウィルが初めて裏側の世界に引きずり込まれた過去を探るフラッシュバックも挿入されます。しかし、ウィルの若い頃の姿をデエイジング(デジタルでの若返り)技術で再現した場面は、視覚的には完全に成功しているとは言えません。
複雑化する人間関係と最終章への課題
これまで「ストレンジャー・シングス」は、多数の主要キャラクターの物語をうまく紡いできました。しかし、最終シーズンが全てのキャラクターに最後の花道を飾らせようとすることで、物語はやや複雑になりすぎている感があります。ホッパー一家のドラマ、ヘルファイア・クラブのメンバーの学園生活、そして年長のティーンエイジャーたちの三角関係など、多様なプロットラインが同時に進行します。
最終章が真に記憶に残るものとなるためには、視聴者が長年愛してきたキャラクターへの依存だけでなく、説得力のある独立した物語として機能する必要があります。残りの4エピソードで、初期シーズンの魅力を支えた情緒的なドラマに深く踏み込むことができれば、シーズン5は成功するかもしれません。しかし、すでにシーズンの半分が過ぎ去った今、その道のりは決して平坦ではないでしょう。
元記事: https://www.theverge.com/entertainment/830518/stranger-things-5-review-part-one
