WormGPTクローン「KawaiiGPT」の登場
GitHubに、WormGPTの「可愛らしい」ながらも無制限バージョンと称する新しいオープンソースツール「KawaiiGPT」が登場しました。これは、MrSanZz(およびShoukaku07、FlamabyX5)によって開発され、有料の「ジェイルブレイクされた」AIモデルに代わる無料の選択肢として注目を集めています。開発者たちは、このプロジェクトが「楽しさと教育目的」のために作られたと主張していますが、悪名高いマルウェア志向のAIであるWormGPTのクローンと位置付けられています。
KawaiiGPTの仕組み
KawaiiGPTは、独自のスーパーコンピューターを使用する代わりに、DeepSeek、Gemini、Kimi-K2といった既存の強力なAIモデルに接続する「ラッパー」または「仲介役」として機能します。ユーザーは、公式の認証情報なしでこれらのモデルにアクセスするために、Pollinationsプロジェクトから提供されたAPIラッパーに対する「リバースエンジニアリング」技術を利用しています。これにより、ユーザーはLinuxシステムやTermuxを使用したモバイルデバイスで、アカウント登録や料金なしでプログラムを実行できます。
「無制限」な動作の背景
KawaiiGPTの最も議論を呼ぶ側面は、その「WormGPT」クローンであるという主張です。オリジナルのWormGPTは、サイバー犯罪者が安全フィルターなしでマルウェアやフィッシングメールを作成するために設計されたツールでした。KawaiiGPTは、「プロンプトインジェクション」を使用することで同様の「無制限」な結果を達成します。Geminiのような標準的なAIモデルには、有害なコンテンツの生成を防ぐための安全ガードレールがありますが、KawaiiGPTはバックグラウンドで隠された特別な「ジェイルブレイク」スクリプトをモデルに供給することでこれらのルールを回避します。これによりAIは安全ガイドラインを無視し、通常は拒否するような質問にも答えることができるようになります。開発者は、「WormGPT」というタグは、このジェイルブレイクされた動作を説明するために主に使用されており、ツール自体が悪意のあるソフトウェアを意味するものではないと述べています。
コードの難読化と開発者の意図
KawaiiGPTのコードは「難読化」されており、人間が読み取ることが困難な状態です。サイバーセキュリティの世界では、これはウイルスやスパイウェアが隠されている可能性があるため、しばしば警戒信号となります。しかし、開発者のMrSanZzはプロジェクトのREADMEでこの決定を直接説明し、「KawaiiGPTツールが私の名前で再コーディングおよび改名されて販売されるのを避けたい」と述べています。彼は、このツールがリモートアクセス型トロイの木馬(RAT)、スパイウェア、またはマルウェアを含んでいないことを強調しており、難読化は、無料ツールを利益のために販売しようとする模倣犯から自身の知的財産を保護するためであると主張しています。
コミュニティの関心と免責事項
このツールは現在GitHubでホストされており、すでに200以上のスターを獲得しており、コミュニティからの関心が高まっていることを示しています。PythonとGitを含む簡単なインストールプロセスが必要です。しかし、作成者は「行ったすべてのリスクや結果は自己責任である」という強力な免責事項を付けています。彼らはKawaiiGPTを「楽しさ」のために作られたプロジェクトとして売り込んでいますが、AIの安全フィルターを回避するその能力は、倫理的な使用の責任を完全にユーザーに委ねています。
元記事: https://gbhackers.com/kawaiigpt-a-free-wormgpt-clone-powered/
