Bending Spoons、イベントチケット大手Eventbriteを買収
イタリアを拠点とするテクノロジー企業再生ファーム Bending Spoons は、イベント管理およびチケット販売プラットフォーム Eventbrite を約5億ドルで買収することに合意しました。Eventbriteは2018年の上場時には17.6億ドルの評価額を誇っていましたが、今回の買収額はそれと比較して大幅に低いものとなります。
買収の背景とBending Spoonsの戦略
Bending Spoonsは、Evernote、Meetup、Vimeo、AOLなど、強力なブランドを持つものの成長が停滞しているテクノロジー企業を買収し、再活性化させることを得意としています。Eventbriteも同様に、ブランド力はあるもののビジネスの成長が鈍化しており、Bending Spoonsはコスト削減、価格の引き上げ、新機能の導入を通じて収益性を向上させる計画です。
Eventbriteは2006年にJulia HartzとKevin Hartz夫妻、Renaud Visageによって共同設立され、非公開企業時代にはSequoia CapitalやTiger Global Managementといったトップティアのベンチャーキャピタルから約3.3億ドルを調達した経緯があります。
財務詳細と市場への影響
今回の買収額5億ドルは、Eventbriteの直近12ヶ月間の売上2.95億ドルの約1.7倍に相当します。Eventbriteの株主は1株あたり4.50ドルの現金を受け取ることになり、これは買収発表前日の終値2.48ドルに対して81%のプレミアムとなります。
Bending Spoons自体は、10月に2.7億ドルの大規模な資金調達を発表し、企業評価額は110億ドルに達しています。
「ベンチャーゾンビ」企業の再生ブーム
Bending Spoonsのような、失速したソフトウェア企業、いわゆる「ベンチャーゾンビ」企業を買収し、修正し、長期保有する戦略は、近年注目を集めています。同様の戦略を採る企業には、以下のようなものがあります。
- Constellation Software
- Curious
- Tiny
- SaaS.group
- Arising Ventures
- Calm Capital
Curiousの創業者兼CEOであるAndrew Dumont氏は、TechCrunchに対し、同社が「素晴らしい企業」を低価格で買収し、迅速に再生して20%から30%の利益率を達成していると語っています。
