Anthropic CEO、OpenAIの「YOLO」戦略と「循環取引」に警鐘

Anthropic CEO、競合他社の経済戦略に懸念を表明

AnthropicのCEOであるダリオ・アモデイ氏は、New York Times DealBook Summit 2025で、特定の競合他社(名指しは避けたものの、文脈からOpenAIを指すと考えられる)のビジネスアプローチに対して強い懸念を示しました。アモデイ氏は、AI業界の「バブル」について問われた際、技術的な側面は堅実であるとしつつも、経済的な側面には多くの問題があると指摘しました。

「YOLO」戦略と「循環取引」への批判

アモデイ氏は、「タイミングの誤り」があれば「悪い事態」が起こりうると警告し、一部の企業が「YOLOing(行き当たりばったりな行動)」をしていると批判しました。また、チップサプライヤーがAI企業に投資し、その資金が再びチップ購入に使われる「循環取引」についても言及。Anthropicも一部このような取引を行っていることを認めつつも、その規模は「他のプレイヤーほどではない」と強調しました。彼は、非現実的な収益目標を設定し、自己を過剰に拡大するリスクに警鐘を鳴らしています。

「不確実性のコーン」が示すAI企業の経営課題

アモデイ氏は、社内で用いている「不確実性のコーン」という概念を説明し、AI企業の収益予測がいかに不確実であるかを強調しました。Anthropicは過去3年間で収益が年間10倍に成長し、2023年のゼロから始まり、2024年には1億ドル、そして今年の終わりには80億ドルから100億ドルに達すると予測していますが、来年の正確な数字は予測が難しいと述べました。彼は、データセンターの建設には1〜2年を要するため、2027年の計算リソースの需要を今から決定する必要があるが、需要の過小評価は顧客を失うことにつながり、過大評価は破産のリスクを伴うと説明。この「不確実性のコーン」のバッファは、企業の利益率によって決まると付け加えました。

Anthropicのエンタープライズ戦略と安定性

アモデイ氏は、Anthropicがエンタープライズ市場に焦点を当てていることが、高い利益率と予測可能な収益をもたらし、消費者向けのビジネスよりも「構造的に安全」であると強調しました。この戦略により、同社は「コードレッド(緊急事態)」に陥ることなく経営を続けられると語りました。


元記事: https://www.theverge.com/column/837779/anthropic-ai-bubble-warning