『メトロイドプライム4』は任天堂の最高傑作には及ばず、期待外れか

イントロダクション:『メトロイドプライム4』の期待と現実

待望の新作『メトロイドプライム4:ビヨンド』が長年の困難な開発期間を経てついに発売されましたが、一部の明るい点にもかかわらず、ゲーム全体としては「古さ」を感じさせるとの評価が出ています。任天堂は、ゼルダやマリオカートといった他の主要フランチャイズに新たな命を吹き込む一方で、『メトロイド』は立ち止まったままだと指摘されています。

オープンワールドの導入と課題

任天堂はSwitch時代に、多くの主要タイトルにオープンワールド式の探索要素を導入し、『スーパーマリオ オデッセイ』や『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』などで大成功を収めてきました。これらのタイトルでは、広大なマップを探索することが新たな発見につながり、体験を豊かなものにしていましたが、『メトロイドプライム4』ではその限りではありません。

批評家のアンドリュー・ウェブスター氏は、主人公サムスが旅する砂漠のハブワールドを「殺風景で退屈な場所」と評しています。本作での探索は、ご褒美というよりは「苦行」に近く、広大な砂漠の中の「目印」に過ぎないとされています。

メトロイドシリーズの核であるメトロイドヴァニアのジャンルでは、進行はパワーアップによってゲートされており、行き詰まった際には「後で戻ってくる」というシグナルとして機能します。これは閉鎖的な環境では機能しますが、オープンワールドでは「その場での見返り」が保証されないため、勢いを削いでしまう結果となっています。『ブレス オブ ザ ワイルド』や『スーパーマリオ オデッセイ』のような充実感は、『メトロイドプライム4』では得られにくいようです。

自由度の幻想と過剰な誘導

『メトロイドプライム4:ビヨンド』では、「選択の幻想」も問題視されています。ゲームの序盤で「どこへでも行ける」と示唆されるものの、実際には火の壁などの進行を阻む障害にすぐに遭遇し、実質的な自由はないと感じさせられます。これはまるで開発者がプレイヤーに「後で必要なアイテムを持って戻ってきてほしい」という意図を遠回しに伝えているかのようです。

また、ゲーム内のコンパニオンであるマッケンジーが、サムスに対して行き先ややるべきことを過剰に指示することも批判の対象となっています。『Horizon Zero Dawn』のような大作アクションアドベンチャーゲームでは一般的なガイドポストですが、『メトロイド』の魅力は、プレイヤーが自らの知恵とスキルで状況を打破することにあります。サムス・アランはゼーベスを代表するバウンティハンターであり、彼女の能力は皆が認めているはずなのに、コンパニオンが度々口を挟むことで、プレイヤーとサムス両方が軽んじられているように感じられるとのことです。

革新性の欠如

任天堂が『メトロイドプライム4』で犯した最大の間違いは、「これまでの『メトロイドプライム』三部作とあまりにも似すぎている」ことだとされています。他の主要フランチャイズでは、過去の構造を踏襲しつつも、『スーパーマリオ オデッセイ』のキャッピーの変身能力や、『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』のウルトラハンドのような革新的な要素が追加され、新鮮な体験を提供してきました。

しかし、『メトロイドプライム4』にはそのようなひねりがなく、サムスが手に入れるサイキック能力も、これまでのパワーアップの焼き直しに過ぎないとされています。サイキックな投げ縄は、単に強化されたグラップルビームのように感じられるとのことです。

まとめ:『プライム』らしさと進化の不在

もちろん、『メトロイドプライム4』にも3D探索という「プライム」ブランドならではの魅力は健在です。しかし、8年の開発期間と一度の開発体制の見直しを経て、旧作のような魅力に欠け、新しい要素も十分に魅力的ではないという結論に至っています。他の任天堂フランチャイズが遂げた進化と比較すると、『メトロイドプライム4』は「古いものが新しく感じられず、新しいものが良いと感じられない」という厳しい評価を受けています。


元記事: https://www.theverge.com/games/838428/metroid-prime-4-analysis-open-world-nintendo