Operation Bluebird、Twitterの商標再取得と新SNS構想を発表

Operation Bluebirdの動きと背景

「Operation Bluebird」と名乗るスタートアップが、イーロン・マスク氏が所有するX Corp.(旧Twitter)が「Twitter」および「Tweet」の商標権を「法的に放棄した」と主張し、これらの商標の再取得を目指しています。そして、その商標を使用して「Twitter.new」という新しいソーシャルネットワークを立ち上げる計画を明らかにしました。

「Twitter」商標放棄の主張

Operation Bluebirdは、米国特許商標庁(USPTO)に対し、X Corp.による「Twitter」および「Tweet」の商標登録を取り消すよう求める申し立てを行いました。彼らは、X Corp.が「Twitter」ブランドの使用を停止し、使用を再開する意図がないため、商標権を放棄したと主張しています。米国商標法では、商標登録の取り消しを求める場合、所有者が3年間連続して商標を使用していないこと、または使用を中止し、再開の意図がないことを証明する必要があります。

イーロン・マスク氏は2022年にTwitterを買収した後、2023年7月にはサイト名を「X」に変更し、お馴染みの鳥のロゴも廃止しました。また、昨年にはTwitter.comへのトラフィックをX.comにリダイレクトしています。マスク氏はリブランド直前に「間もなくTwitterブランドと、徐々に全ての鳥に別れを告げるだろう」と投稿しており、Operation Bluebirdはこの発言も放棄の証拠として引用しています。

新ソーシャルネットワーク「Twitter.new」の構想

Operation Bluebirdは、イリノイ州の商標・ブランド保護弁護士であるMichael Peroff氏と、2014年から2016年までTwitterで商標、ドメイン名、マーケティングの準ディレクターを務めていたStephen Coates氏が率いています。彼らはすでに「Twitter」の商標出願も行っており、これを新しいソーシャルメディアサイト「Twitter.new」に含めることを目指しています。

Coates氏によると、「Twitter.new」は「レガシーTwitterを使用していた人々には馴染み深いものになる」としながらも、「より安全な体験を提供し、ユーザーがどのような種類のコンテンツにエンゲージするかを決定できる新しいツール」を搭載する予定です。Operation BluebirdのLinkedInページでは、AIを活用したファクトチェックとモデレーション機能の導入も示唆されています。

法的な見解と今後の展望

法的な専門家の間では、この申し立てに対する見解が分かれています。ノースイースタン大学の法学・メディア教授であるAlexandra Roberts氏は、X Corp.がTwitterの商標権を放棄したというOperation Bluebirdの主張には「説得力がある」と述べています。しかし、Roberts氏は、商標が「元の所有者が使用を中止しても存続する可能性がある」とされる「残存する顧客の信用(residual goodwill)」の存在にも言及し、多くのユーザーがXを「Twitter」と呼び、投稿を「ツイート」と呼ぶことから、引き続きX Corp.がTwitterのロゴやブランドと関連付けられている可能性を指摘しています。

一方、知的財産弁護士のDouglas Masters氏は、Operation Bluebirdの主張が成功するかどうかについては懐疑的です。「X Corp.がXに切り替えたからといって、『Twitter』という言葉における商業的使用と権利の全てを放棄する意図があったとは、最終的に記録が示すとは思えない」と述べています。

X Corp.は2月までに申し立てに応答する必要があります。X Corp.がこの申し立てと戦うことを選択した場合、商標の取り消しを決定するプロセスは長期化する見込みです。Masters氏は「審理プロセスだけで2、3年、商標庁が裁定を下すのにさらに数年かかる可能性もある」と予測しています。しかし、Operation Bluebirdは長期にわたる法廷闘争も辞さない構えで、Coates氏は「我々の立場は非常に強いと信じている」と強調しています。


元記事: https://www.theverge.com/report/841994/operation-bluebird-twitter-trademarks-petition