Kali Linux 2025.4 がリリース:3つの新ハッキングツールとWifipumpkin3を搭載

Kali Linux 2025.4 が発表:パフォーマンス向上と新機能

倫理的ハッキング向けディストリビューションであるKali Linux 2025.4が2025年12月13日にリリースされました。今回のアップデートでは、大幅なアーキテクチャの変更、パフォーマンスの最適化、そして新しいツールの導入が行われ、より高速で安定したプラットフォームへと進化しています。

特に注目すべきは、Kernel 6.16への移行で、これによりハードウェア互換性とシステムの安定性が向上しています。

デスクトップ環境の全面的な刷新

2025.4リリースでは、主要なデスクトップ環境が大幅にアップデートされました。

  • GNOME 49:X11セッションのサポートが正式に廃止され、Waylandがデフォルトかつ唯一のウィンドウサーバーとなりました。これにより、VirtualBox、VMware、QEMUなどのVMゲストユーティリティにおけるクリップボード共有やウィンドウのスケーリングが改善されています。
  • KDE Plasma 6.5:柔軟なウィンドウタイリングとKRunnerのファジーマッチング機能が導入され、ユーザーエクスペリエンスが向上しました。
  • Xfce:包括的なカラーテーマサポートが提供され、アイコンやウィンドウマネージャーのカスタマイズ性がGNOMEやKDEと同レベルに引き上げられました。

強力な新ツールとNetHunterの進化

今回のリリースでは、ネットワークリポジトリに3つの強力な新ツールが追加されました。また、NetHunterエコシステムも大きく進化を遂げています。

  • hexstrike-ai:AIエージェントがセキュリティツールを自律的に実行できるMCPサーバーです。
  • evil-winrm-py:WinRMを介してリモートWindowsマシン上でコマンドを実行するためのPythonベースのツールです。
  • bpf-linker:プログラムの最適化を目的としたシンプルなBPFスタティックリンカーです。

Kali NetHunterアプリもAndroid 16のサポートを含む広範なアップデートを受け、Samsung Galaxy S10シリーズやOnePlus Nordなどの新しいデバイスにも対応しました。さらに、Wifipumpkin3は、プレビュー機能とFacebook、Instagram、iCloud向けにコミュニティによって作成された新しいフィッシングテンプレートを搭載し、大幅に機能強化されています。

開発者向けには、「kali-undercover」モードを介してデスクトップを不気味なビジュアルでテーマ化する「Halloween Mode」も追加されました。

既存ユーザー向けのアップグレード方法

既存のKali Linuxユーザーは、以下のコマンドを実行することでシステムを直ちにアップデートできます。

sudo apt update && sudo apt -y full-upgrade

アップグレードが完了した後、新しいカーネルやWaylandの設定を適切に適用するため、システムの再起動が推奨されます。


元記事: https://gbhackers.com/kali-linux-2025-4-released/