インドのSpaceX競合EtherealX、評価額が急上昇
インドの宇宙技術企業Ethereal Exploration Guild(通称EtherealX)は、最新の資金調達ラウンドを経て、その評価額が5.5倍の8,050万ドルに達したと発表しました。同社は完全に再利用可能な打ち上げロケットの開発を進めており、初の技術実証飛行を2027年に計画しています。これに先立ち、主要エンジンの燃焼試験が目前に迫っています。
大規模な資金調達の詳細
EtherealXは、TDK VenturesとBIG Capitalが主導する2,050万ドルのシリーズAラウンドを成功裏に完了しました。このラウンドには、Accel、Prosus、YourNest、BlueHill、Campus Fund、Riceberg Venturesなどの著名な投資家も参加しています。同社の評価額は、2024年8月の500万ドルのシードラウンド時の1,460万ドルから大幅に増加しました。
再利用可能なロケット技術で市場を革新
EtherealXは、ブースターと上段の両方を回収・再利用する設計のロケット開発に注力しています。これは、SpaceXのFalcon 9が主に初段ブースターを再利用するのに対し、より深いレベルの再利用性を目指すものです。このアプローチが実証されれば、打ち上げあたりのコストを大幅に削減し、飛行頻度を増加させることが可能になると期待されています。同社の中型打ち上げ機は「Razor Crest Mk-1」と名付けられています。
自社開発エンジンの詳細と試験計画
EtherealXは、2種類のエンジンを自社で開発しています。上段用の80キロニュートンエンジン「Pegasus」は、323秒の真空比推力を誇り、独自の「全流量分離冷却サイクル」を採用。また、自社で積層造形されたターボポンプを統合しています。一方、ブースター用の1.2メガニュートンエンジン「Stallion」は、ガス発生器サイクルを使用し、306秒の海面比推力を提供します。これらのエンジンの燃焼試験は、2026年6月から7月にかけて予定されており、Razor Crest Mk-1のブースターには9基のStallionエンジン、上段には15基のPegasusエンジンがクラスター化されて搭載される計画です。
今後の展望と成長戦略
同社は、技術実証機を2027年11月から12月に打ち上げ、商業ミッションは2028年末までに開始することを目指しています。目標価格帯は、構成と頻度に応じてキログラムあたり350ドルから2,000ドルです。開発を支援するため、EtherealXはインド南部タミル・ナードゥ州にロケットエンジン試験場「Base 001」を運営しており、上段エンジンの認定試験に注力しています。さらに、アンドラ・プラデーシュ州の提案されている宇宙都市に150エーカーの製造・試験キャンパスを確保しており、2026年半ばから稼働予定です。
高まる市場の期待と国際的な顧客獲得
インドが今後10年間で宇宙経済を80億ドルから450億ドルに成長させるという目標を掲げる中、EtherealXのようなスタートアップは注目を集めています。同社は既に、日本のSpaceBDや台湾の宇宙機関TASAを含む顧客と、総額約1億3,000万ドルの打ち上げに関する覚書(MOU)を締結しており、初のデモンストレーション飛行を前に商業的な需要を確保しています。現在の従業員数は67名ですが、今後2ヶ月で約90名に増員し、製造能力の増強と試験の加速を図る予定です。
