Netflixがキャスティング機能から大きく撤退:業界の動向と新たな標準への期待

Netflix、キャスティング機能から大きく撤退:業界に衝撃

ストリーミング大手のNetflixは、主要なキャスティング機能からの大幅な撤退を発表し、モバイルアプリから幅広いスマートTVやストリーミングデバイスへの動画キャスト機能を削除しました。現在、キャスティングは旧型のChromecastアダプター、Nest Hubスマートディスプレイ、および一部のVizioおよびCompal製スマートTVでのみサポートされています。この動きは、かつて多くのデバイスでGoogleのキャスティング技術や「Netflix 2nd Screen」機能をサポートしていたNetflixにとって、驚くべき方針転換と言えます。

実はNetflixは15年前、YouTube、Sony、Samsungとの協力により、オープンなセカンドスクリーンプロトコルであるDIAL(Discovery and Launch)を策定し、キャスティング技術の基礎を築いた先駆者でした。しかし、今回の機能廃止についてNetflixはコメントを避けており、業界ではクラウドゲーミングやインタラクティブ投票といった新機能に注力するため、キャスティングが犠牲になったのではないかと推測されています。

かつての隆盛と変化するニーズ

かつてキャスティングは非常に人気があり、Googleは1億台以上のChromecastアダプターを販売しました。Vizioに至っては、リモコンの代わりにタブレットを同梱したキャスティング中心のテレビを発売したほどです(ただし、これは成功しませんでした)。しかし、スマートTVがより高性能になり、ストリーミングサービスが各TVにネイティブアプリを積極的に投入するにつれて、キャスティングの必要性は徐々に低下しました。あるストリーミングサービス運営者は、かつては不可欠だったキャスティングが、現在ではAndroidユーザーの約10%しか利用していないと語っています。

Google Castは健在、Appleも参入

Netflixの撤退とは対照的に、キャスティングに未来を見出す企業も存在します。先月、AppleはAndroid版Apple TVアプリにGoogle Castのサポートを初めて追加しました。また、過去2年間でSamsungとLGも一部のテレビにGoogleのキャスティング技術を搭載しています。GoogleのAndroidプラットフォームPMであるNeha Dixitは、「Google Castは、自宅でもホテルでも、携帯電話からテレビへのシームレスなコンテンツ共有の利便性をもたらす、私たちが投資し続ける重要な体験です」と述べ、今後の展開に期待を持たせています。

新たな選択肢「Matter Casting」の挑戦

Googleの取り組みに対し、スマートホーム標準「Matter」の背後にあるConnectivity Standards Alliance(CSA)は、独自の「Matter Casting」プロトコルを開発しています。これは、ストリーミングサービスやデバイスメーカーがGoogleとの契約なしにセカンドスクリーン機能を利用できる、よりオープンなアプローチを約束するものです。Amazonはこの技術の主要な支持者となっています。

しかし、これまでのところMatter Castingのサポートは限定的で、Fire TVやEcho Showディスプレイ、Amazon独自のアプリ、そして先月Tubiが加わった程度に留まっています。CSAの技術ストラテジストであるChristopher LaPréも、Matter Castingが画期的なヒットには至っていないことを認めており、テレビがMatterロゴを付けていても必ずしもMatter Castingをサポートしているわけではないというブランドの混乱も課題として挙げています。それでも、Matterがカメラをサポートしたことで、ユーザーが独自コンテンツをキャストする機会が増え、年内にはオーディオキャスティングも導入される予定であることから、Matter Castingの将来にはまだ大きな可能性が秘められています。


元記事: https://www.theverge.com/column/861948/casting-netflix-dead