YCパートナーの意思決定を体験!スタートアップ評価の難しさを浮き彫りにするゲーム「YC Arena」

YC Arena:スタートアップ評価の舞台裏を体験

Y Combinator(YC)のパートナーになった気分を味わえる新しいゲーム「YC Arena」が登場しました。これは、ベルリンの学生によって開発されたもので、YC Partner Simulatorゲームを通じて、スタートアップのピッチ動画を評価し、アクセプト(採用)かリジェクト(不採用)かを判断するというものです。このゲームは、YCの厳格な選考プロセスと、その意思決定がいかに難しいかを浮き彫りにしています。

YCパートナーシミュレーターの挑戦

YCは応募者の約1%しか受け入れないと言われており、このゲームをプレイすると、その選考がいかに主観的で運の要素も絡むかがよくわかります。ゲームの冒頭には、「多くの不採用になった創業者が、その後信じられないほど成功した企業を築き上げました。不採用は何の意味も持ちません。最も成功した創業者でさえ、何度も不採用を経験しています」というメッセージが表示され、スタートアップの世界における評価の相対性を強調しています。

筆者自身もテックジャーナリストとして、多くのスタートアップピッチに触れてきましたが、このゲームは予想以上に難しいと感じました。企業のニュース価値と収益性の可能性は必ずしも直結しないという、評価の複雑さが示されています。

成功の秘訣:ポール・グラハムとサム・アルトマンの視点

ゲームの難しさに直面した後、YCの共同創設者であるポール・グラハムのアプリケーションガイドを読んだところ、筆者の判断精度は向上しました。グラハムは、「非常に明確かつ簡潔であること」を強調し、「何を伝えたいにせよ、最初の文で、可能な限りシンプルな言葉で伝えること」と述べています。

また、OpenAIの創設者兼CEOであり、元YC社長のサム・アルトマンは、各企業のアプリケーションをわずか10分で審査していたと語っています。彼は、「この人物が次のマーク・ザッカーバーグになる可能性を秘めているか?」という問いに答えるだけであれば、10分で十分だと考えていました。これは、短時間で本質を見抜くYCの評価基準を示唆しています。

評価プロセスの本質

YC Arenaは、スタートアップの評価プロセスがいかに主観的であるかを教えてくれます。単にビジネスモデルや技術だけでなく、創業者がいかに明確にビジョンを伝え、潜在能力を感じさせるかが重要であるという、YCの哲学がゲームを通じて体験できます。これは、セキュリティ分野における新しい技術やプロジェクトの評価においても、同様の洞察が求められることを示唆しているかもしれません。

その他のゲーム

YC Arenaには、他にも企業名とロゴを一致させるゲームや、企業の説明からYCに参加した年を推測するゲームなどがあります。特に後者では、近年AI関連のスタートアップが急増していることが示唆されており、テクノロジーのトレンドを垣間見ることができます。


元記事: https://techcrunch.com/2025/10/03/can-you-think-like-a-yc-partner-this-game-will-help-you-find-out/