Spotify、紙媒体と同期するオーディオブック新機能「Page Match」をテスト中

スポティファイの新機能「Page Match」とは

オーディオストリーミング大手Spotifyが、読書体験を一新する可能性を秘めた新機能「Page Match」のテストを進めていることが、Android Authorityの報道により明らかになりました。この機能は、オーディオブックの再生箇所を紙の書籍や電子書籍とシームレスに同期させることを目的としています。

ユーザーは、現在読んでいる物理的な本のページをデバイスのカメラでスキャンするだけで、内蔵された光学式文字認識(OCR)技術がその文章を識別し、オーディオブック内の対応するタイムスタンプに瞬時に合わせます。

機能の仕組みと利便性

「Page Match」を利用するには、まずSpotify上で該当するオーディオブックを購入またはロック解除している必要があります。加えて、同タイトルの紙の書籍または電子書籍を所有していることが前提となります。

この機能の最大の利点は、オーディオブックと紙の書籍間を行き来する際に、手動で再生箇所を探す手間が不要になる点です。さらに、オーディオブックの再生位置がどのページに当たるかを表示する機能も搭載されており、読書(視覚)とリスニング(聴覚)の体験を柔軟に切り替えることが可能になります。これにより、運転中や料理中など、手が離せない状況でも、中断した読書をオーディオブックで手軽に再開できるようになります。

競合サービスとの比較と潜在的な課題

類似の機能として、Amazonは「Whispersync for Voice」を提供しており、AudibleのオーディオブックとKindleの電子書籍を同期させています。しかし、「Page Match」は紙の書籍や他プラットフォームの電子書籍との同期にも対応しており、より幅広い利用シーンに対応できる点で優位性があります。

一方で、いくつかの課題も指摘されています。書籍の版によってページ番号が異なる場合があり、これが同期の精度に影響を与える可能性があります。また、OCRの認識精度も常に完璧ではないため、Spotifyはユーザーに近くのページをスキャンし直すよう促す場合があります。現時点ではまだベータテスト段階であり、一般公開される保証はされていません。

ITニュースとしての意義

この「Page Match」機能は、デジタルコンテンツと物理的コンテンツの間の障壁を取り払い、ユーザーによりパーソナライズされた流動的な読書体験を提供する点で、ITニュースとして非常に注目すべき動向です。高度なOCR技術の活用は、物理媒体からの情報取得とデジタルコンテンツへの連携の可能性を広げます。

コンテンツ消費の多様化が進む現代において、Spotifyが提示するこの新しいアプローチが、オーディオブック市場や、ひいては読書文化全体にどのような革新をもたらすか、今後の展開に大きな期待が寄せられます。


元記事: https://www.theverge.com/news/864296/spotify-page-match-audiobook-testing-feature