SpaceX、クレーン崩壊事故でOSHAから罰金 – 安全管理の不備が明らかに

Starbaseでのクレーン崩壊とOSHAの制裁

米労働安全衛生局(OSHA)は、SpaceXがテキサス州のStarbase施設で発生したクレーン崩壊事故に関連し、7件の「重大な」違反を指摘し、115,850ドルの罰金を科したことを発表しました。この事故は2025年6月24日に発生し、OSHAは事故の翌日から調査を開始していました。

OSHAの調査によると、SpaceXは最近修理された油圧クレーンを適切に検査せずに使用しており、これが事故の主因とされています。OSHAは、6件の違反に対して最大額の罰金を適用しました。現時点では、この事故で作業員が負傷したかどうかは不明ですが、SpaceXはこれらの制裁に異議を申し立てる権利を有しています。

詳細な違反内容

OSHAが発表した違反内容は多岐にわたります。最も重大なのは、Grove RT9150Eクレーンが修理後、メーカーの基準を満たす「有資格者による検査」なしに施設に返却されていた点です。このクレーンは、4日前のStarship爆発事故の残骸を撤去するために使用されていました。OSHAはさらに、以下の不備を指摘しています。

  • クレーンおよびワイヤーロープに対する月次検査の不実施または記録不備
  • リギング装置にメーカーが規定する「安全作業負荷」を示す表示の欠如
  • 無効な国家クレーンオペレーター認定(NCCCO)の従業員が、Tadano 90トンクローラークレーンを操作していたこと。

また、別のGrove RT9150Eクレーンが起動しない問題が複数回発生していたことも明らかにされており、SpaceXの設備管理体制全体に疑問が投げかけられています。

SpaceX Starbaseにおける安全管理の背景

今回の制裁は、SpaceXがStarbase施設での活動を拡大し、年間最大25回のStarship打ち上げを計画し、ロケット生産能力を急速に増強している中で課されました。しかし、同施設では過去にも複数の安全問題が報じられています。

2023年のロイター通信の報道では、過去10年間に数十件の負傷事故と1件の死亡事故が発覚しており、TechCrunchの分析でも、Starbaseの負傷率は同社の他の施設や競合他社と比較して著しく高いことが示されています。最近では、昨年12月に下請け業者の従業員がクレーンから落下した金属製支持具に押し潰されたとしてSpaceXを提訴するなど、事故が頻発しており、OSHAは現在もこの事故を調査中です。

今後の展望

OSHAの調査はまだ継続中であり、今回の罰金と違反指摘はSpaceXの安全管理体制に対する厳しい警告となります。イーロン・マスク氏の掲げる壮大な目標達成に向け、急速な事業拡大を進める中で、従業員の安全確保が喫緊の課題として浮上しています。SpaceXがこれらの指摘にどのように対応し、安全文化を改善していくのか、今後の動向が注目されます。


元記事: https://techcrunch.com/2026/01/20/spacex-didnt-properly-inspect-crane-before-collapse-at-starbase-osha-says/