Supabase、4ヶ月で評価額20億ドルから50億ドルへ急騰:AI開発を支えるオープンソースデータベースの躍進

驚異的な評価額急騰:Supabaseが50億ドル企業に

AIを活用した「vibe-coding」の世界で選ばれるデータベース、Supabaseが驚くべき成長を遂げています。同社は2025年10月3日、わずか4ヶ月で評価額を20億ドルから50億ドルへと倍増させ、シリーズEラウンドで1億ドルを調達したことを発表しました。この資金調達はAccelとPeak XVが主導しています。

これは、Accelが主導した2億ドルのシリーズDラウンドからわずか4ヶ月後の出来事であり、そのシリーズDも、SequoiaスピンオフのPeak XVとDavid SacksのCraft Venturesが主導した8000万ドルのシリーズCから7ヶ月後のことでした。PitchBookの推定では、シリーズCでの評価額は約7億6500万ドルとされており、この1年間で500%以上の評価額上昇を達成したことになります。Supabaseはこれまでに総額5億ドルを調達しています。

Supabaseとは:AI時代のPostgresベースプラットフォーム

2020年にCEOのPaul CopplestoneとCTOのAnt Wilsonによって設立されたSupabaseは、GoogleのFirebaseに代わるPostgresベースのオープンソースソリューションとして登場しました。当初はY Combinatorのスタートアップとして、AIアプリのバックエンドとしても設計されたFirebaseの代替を目指していました。

Supabaseは、Postgresに加えて、認証機能、自動生成API、ファイルストレージ、そして多くのAIアプリに不可欠なベクターツールキットなど、エンタープライズグレードのオープンソースツールを組み合わせて提供しています。これにより、データベースのセットアップという複雑な作業を数クリックで完了できるように簡素化し、開発者にとって非常に魅力的なプラットフォームとなっています。

セキュリティとAI開発への貢献

Supabaseの提供する機能は、現代のAIアプリケーション開発においてセキュリティと効率性の両面で重要な役割を果たしています。特に、以下の点が注目されます。

  • 認証機能:ユーザーデータの保護とアクセス制御は、あらゆるアプリケーション、特に機密性の高い情報を扱うAIアプリにとって不可欠です。Supabaseの組み込み認証機能は、開発者がセキュアなシステムを迅速に構築するのを支援します。
  • ベクターツールキット:AIアプリ、特に大規模言語モデル(LLM)を活用したアプリケーションでは、ベクター検索が中心的な役割を担います。このツールキットは、AIモデルが効率的かつセキュアにデータを処理・検索するための基盤を提供します。
  • オープンソースの透明性:400万人もの開発者コミュニティに支えられたオープンソースであることは、コードの透明性と継続的な改善を意味し、潜在的な脆弱性の早期発見と修正に繋がるため、セキュリティ面での信頼性を高めます。

LovableやBoltといった急成長中のvibe-codingツール、さらにはFigma、Replit、Cursor、Claude Codeといった人気のAIコーディングツールでSupabaseが採用されていることは、その堅牢性と信頼性の証です。

コミュニティと共に成長する未来

Supabaseはオープンソースの精神を体現し、今回のシリーズE資金調達では、コミュニティメンバーにも株式購入の機会を提供しています。これは、開発者コミュニティとの強固な結びつきをさらに強化し、共に成長していく姿勢を示しています。

AI技術の進化が加速する中で、Supabaseのようなセキュアでスケーラブルなデータベースソリューションの需要は今後も高まることが予想されます。その急速な成長は、AI開発のインフラストラクチャにおける同社の戦略的な重要性を明確に示しています。


元記事: https://techcrunch.com/2025/10/03/supabase-nabs-5b-valuation-four-months-after-hitting-2b/