中国、隠れた電動ドアハンドルを禁止へ:EVの安全性に新たな基準

中国が安全性向上へ新規制を導入

中国は、電気自動車(EV)で普及が進む隠れた電動ドアハンドルを禁止する新たな安全規則を発表しました。これは、車両衝突時に乗員が車内に閉じ込められる事故が多発していることを受けたもので、安全性確保を最優先する姿勢を示しています。中国工業情報化部(MIIT)が2026年2月2日月曜日に発表したこの新規則は、2027年1月1日より施行されます。

義務付けられる機械式リリース機構

新規則の下では、中国で販売される自動車は、トランクドアを除く各ドアに機械式リリース機能を備えた外部ドアハンドルを搭載することが義務付けられます。さらに、車両の内部からも機械的にドアを開放できる機構が必要となります。これにより、バッテリーシステムの故障などで電力が供給されなくなった場合でも、乗員や救助者が容易にドアを開けられるようになります。

規制の背景と世界的な懸念

隠れた電動ドアハンドルは、テスラがデザイン性向上のために採用して以来、多くのEVメーカーが追随してきました。しかし、Bloombergの調査や複数の死亡事故が示すように、事故発生時に電子ロックが機能せず、乗員が車内から脱出できない、あるいは救助活動が遅れるという深刻な問題が浮上しています。特に、米国国家幹線道路交通安全局(NHTSA)は、テスラModel YおよびModel 3のドアハンドルに関する欠陥調査を開始しており、米国の一部の議員も同様の規制導入を提案しています。

中国では、Xiaomi SU7を含むEVの衝突事故がこの規制策定を加速させました。中国政府は2025年5月から、40以上の国内自動車メーカー、部品サプライヤー、試験機関、そして100人以上の業界専門家が参加する広範な協議を通じて、この新基準を策定しました。

自動車業界への影響

この新しい「自動車ドアハンドルの安全技術要件」は、テスラだけでなく、隠れたドアハンドルを採用している多くの自動車メーカーに影響を与えます。規制策定プロセスには、BYD、Geely Holdings、SAIC、Xiaomiなどの中国企業に加え、General Motors、Ford、Hyundai、Nissan、Porsche、Toyota、Volkswagenといった主要な国際メーカーも参加しました。しかし、テスラは公式な「ドラフター(起草者)」リストには含まれていませんでした。

中国は、世界で初めて隠れた電動ドアハンドルを禁止する国となり、EVの設計における安全性と機能性について、業界全体に新たな基準を打ち出すことになります。これは、消費者の安全を確保するための重要な一歩であり、今後のEVデザインとエンジニアリングに大きな影響を与えることが予想されます。


元記事: https://techcrunch.com/2026/02/02/china-is-leading-the-fight-against-hidden-car-door-handles/