はじめに:沈黙を破った「トランプ・フォン」
かねてよりその動向が注目されていた「トランプ・フォン(T1 Phone)」について、The Vergeのドミニク・プレストン記者が、開発元であるTrump Mobileの幹部2名に独占インタビューを行いました。度重なる遅延を経て、ついにその姿が明らかになりつつあるT1 Phoneの現状と、その背景にある真実が語られました。
デザインとスペックの変遷:刷新されたT1の姿
今回公開されたT1 Phoneは、最終生産モデルに近いものの、これまでのレンダリングから大幅な変更が加えられています。
- カメラデザイン:初期のiPhone風トライアングル型から、縦に3つのレンズが配置された黒い楕円形のアイランド型に変更されました。レンズ間の間隔が均一ではない点も特徴的です。
- 外観:これまでの発表で特徴的だった「T1」ロゴは削除される見込みですが、下部に配されたアメリカ国旗と特徴的なゴールド仕上げは維持されます。
また、スペック面でも複数の変更が見られます。
- ディスプレイ:初期に約束された6.78インチに近い「ウォーターフォール」ディスプレイ(湾曲型スクリーン)が採用されています。
- チップセット:上位ミドルレンジデバイスに搭載されることが多いQualcomm Snapdragon 7シリーズを搭載。
- バッテリーとストレージ:5,000mAhのバッテリー、512GBのストレージに加え、最大1TBのmicroSDカードに対応します。
- カメラ:セルフィーカメラとメインリアカメラの両方に50メガピクセルセンサーを採用。超広角レンズの搭載も示唆されており、一部スペックは以前発表されたものよりも向上しています。
幹部らは「今年の市場における最高級スマートフォンに匹敵する」と主張していますが、記者はOnePlus Nord 5(約679ドル)のような競合製品と比較し、この主張には疑問符がつく可能性を指摘しています。
価格戦略と遅延の理由:エントリーモデルから上位モデルへ
T1 Phoneは、当初の発表から6ヶ月の遅延が生じています。この遅延と価格設定の変更について、幹部は興味深い説明をしました。
- 価格:既に100ドルのデポジットを支払った予約者には、当初の499ドルで提供されます。しかし、新規購入者に対しては「入門価格」としての499ドルではなく、1,000ドル未満の新たな価格が設定される予定です。
- 遅延の真相:当初はエントリーレベルのモデルを投入する計画でしたが、初期のメディアからの注目度の高さを受け、その計画をスキップし、最初から上位モデルとして再設計することを決定したためだと説明されています。
認証と出荷時期:迫る発売、そして「Made in USA」の真実
ようやく製品化に近づいているT1 Phoneですが、発売にはまだいくつかのハードルがあります。
- 認証状況:FCC認証は既にクリアしており、現在はT-Mobileでの認証を待っている状況です。これは3月中旬には完了する見込みとされています。
- 出荷時期:認証完了後、早期購入者への出荷が開始される予定ですが、具体的な日付は明言されていません。数週間以内には「Trump Mobileのリローンチ」が予定されており、その際に最終的な仕様やイメージが公開される見込みです。
また、トランプ氏が掲げる「Made in USA」の理念に対し、T1 Phoneが本当にアメリカ製なのかという疑問についても言及されました。T1 Phoneは、最終的な組み立てをマイアミで行いますが、主要な部品のほとんどは「友好国」(中国ではないと示唆)で生産されています。幹部は、過去にウェブサイト上で「MADE IN THE USA」と誤解を招く表記があったことを認めつつ、「アメリカ人の手がすべてのデバイスの背後にある」という表現で透明性を保ちたいと語っています。
今後の展望:T1 Ultraの登場も示唆
Trump Mobileは、将来的な目標として「完全なMade in USA」の実現を目指していると述べています。さらに、インタビューでは次期モデルとなる「T1 Ultra」の存在も示唆され、今後の展開にも期待が寄せられます。
