ルシードモーターズ、記録的な販売台数を達成:Gravityの好調と税額控除期限切れが影響か

記録的な販売台数と市場の動向

ルシードモーターズは、第3四半期に過去最高となる4,078台の車両を納車し、記録を更新しました。これは、Gravity SUVの販売増加と、連邦EV税額控除の期限切れが相まって顧客が駆け込み購入したことが要因であると見られています。同社は2021年の上場時に予測された水準にはまだ遠いものの、過去2年間で着実に納車台数を伸ばしており、今回の第3四半期の数字は7四半期連続の販売増を記録しました。

第3四半期のEV販売好調はルシードモーターズに限ったことではありません。テスラは史上最高の四半期を記録し、フォードやゼネラルモーターズといった既存自動車メーカーも大幅な増加を見せました。リビアンも、年間総納車台数では2024年や2023年を下回ると予測しているにもかかわらず、第3四半期には販売を伸ばしています。

成長の背景にある要因

連邦EV税額控除の期限切れがルシードモーターズの販売に与えた影響は、その複雑さから正確な数値化が困難です。リビアンと同様に、ルシードモーターズの車両はリース契約の顧客のみが税額控除の対象であったため、その影響は限定的である可能性があります。また、納車されたGravity SUVの台数が、同社初のモデルであるAirセダンと比較してどの程度であったかも現時点では不明です。ルシードモーターズは、11月5日に四半期の全財務結果を発表する予定です。

今後の戦略と展望

ルシードモーターズは、2021年の上場以来、その高級EVへの関心を高めるのに苦戦してきました。元CEOのピーター・ローリンソン氏も、マーケティング活動の強化が必要であることを公に認めています。今年初めには、俳優のティモシー・シャラメ氏を初の「グローバルアンバサダー」として起用したことを発表しました。また、一部の四半期では、レンタル販売や企業リースも販売台数に貢献しています。

サウジアラビア市場とUberとの提携

ルシードモーターズは、サウジアラビア市場への注力を強めています。同社の株式の約60%は、サウジアラビアの政府系ファンドが所有しています。同社は、サウジアラビア市場向けに1,000台以上の車両を製造したと発表しました。現在、サウジアラビア国内で組立施設を運営しており、将来的には本格的な工場を開設する計画です。

さらに、ルシードは予期せぬ顧客であるUberとの間で将来的な需要を確保しました。Uberは先月、今後6年間で少なくとも20,000台のGravity SUVを購入し、自社のネットワークでロボタクシーとして使用する計画を発表しました。この契約の一環として、ルシードモーターズは自動運転技術企業Nuroの技術を車両に統合する予定です。


元記事: https://techcrunch.com/2025/10/06/lucid-motors-sets-record-as-gravity-sales-pick-up-and-tax-credit-expires/