Apple、CrowdStrikeのBSOD問題をアンチPC広告に利用しWindowsを批判

はじめに:Appleの新たなWindows批判広告

Appleは、Windowsのセキュリティを揶揄する新たな広告を公開しました。この8分間のコマーシャルは、昨年数百万台のWindowsマシンをダウンさせたCrowdStrikeのブルースクリーンオブデス(BSOD)問題を題材にしています。Appleは、この広告を通じて、Macのセキュリティ優位性を強調しています。

広告のストーリー:The Underdogsの危機

広告は「The Underdogs」という架空の企業がトレードショーに参加する準備をしているところから始まります。しかし、PCの障害が発生し、ブルースクリーンオブデスがコンベンション会場の複数のマシンをシャットダウンさせ、大混乱に陥ります。この状況は、昨年の悪名高いCrowdStrike事件を明確に風刺しています。

CrowdStrike事件の核心:カーネルレベルの脆弱性

広告の中盤では、Appleのセキュリティ専門家キャラクター「サム」が登場し、カーネルレベルの機能について説明します。彼は、オペレーティングシステムのカーネルレベルの機能が、システムメモリとハードウェアへの無制限のアクセスを持つ中核部分であることを指摘します。CrowdStrikeのFalcon保護ソフトウェアはカーネルレベルで動作しており、昨年のバグのあるアップデートが原因で、銀行、航空会社、テレビ放送局など、数百万台のWindowsマシンでBSOD問題を引き起こしました。

サムは、「エンドポイントセキュリティAPIはデフォルトでカーネルレベルの機能を処理しますが、カーネルレベルのアクセスを許可するわけではありません」と述べ、「オペレーティングシステムの最も深い部分は、サードパーティのソフトウェアやマルウェアによる変更から保護されています。これは明らかにそれらのPCに起こったことです。これはPCの問題であり、あなたのMacは安全です。」と強調します。

Appleの解決策:Macへの移行

広告では、Appleの解決策として、もちろんMacへの切り替えが提示されます。The UnderdogsのメンバーはMacで作業を続け、売上を上げることができたと描かれています。また、コンベンションの他の参加者もMac Miniに切り替える様子が示されています。

AppleとWindowsの長きにわたる広告戦争

Appleは、Windowsのセキュリティを嘲笑する長い歴史を持っています。約20年前に始まったオリジナルの「Get a Mac」TVキャンペーンでは、「I’m a PC」のキャラクターがウイルスにかかってくしゃみをする30秒のスポットが含まれていました。近年では、「I’m a Mac」のキャラクターを演じた俳優ジャスティン・ロングがIntelの広告に登場しPCを称賛したり、QualcommのスキットでmacOSの通知や煩わしい画面を批判したりするなど、この広告戦争は続いています。


元記事: https://www.theverge.com/news/794185/apple-bsod-crowdstrike-windows-pc-ad-commercial