概要
2025年10月9日、MicrosoftのクラウドサービスであるAzureにおいて、Azure Front Door (AFD) コンテンツデリバリーネットワーク (CDN) の障害が発生し、一部のMicrosoft 365サービスおよび管理ポータルへのアクセスが一時的に遮断されました。この障害は、特にヨーロッパ、アフリカ、中東の顧客に影響を及ぼしました。
障害の詳細と影響
このインシデントは、UTC午前7時40分頃に始まり、AzureおよびEntraポータルへの接続において遅延やタイムアウトが発生しました。Microsoft 365サービスの一部、およびWindowsアプリのウェブクライアントを介したクラウドPCへのアクセスも影響を受けました。Microsoftは、AFDインスタンス全体で容量損失を引き起こしていたKubernetesインスタンスの再起動を試み、復旧作業を開始しました。
この障害により、管理ポータルへのアクセスがブロックされたことは、企業が自身の環境を管理し、セキュリティインシデントに対応する能力に直接的な影響を与えるため、特に重要なセキュリティ上の懸念事項となります。
復旧作業と進捗
Microsoftのエンジニアリングチームは、障害発生後、迅速に復旧作業を進めました。初期の報告では、AFDサービスの約98%が復旧したとされ、Microsoft 365ポータルサービスのフェイルオーバーも開始されました。UTC午後12時33分(障害発生から約5時間後)の最新情報では、AFDの容量問題の影響を受けている顧客は当初の約4%にまで減少したと報告されました。最終的に、EDT午後12時07分には、インシデントは緩和され、影響を受けたサービスは完全に復旧したと発表されました。Microsoftは、ヨーロッパおよびアフリカ地域でAFDサービスが「大幅な容量損失」を経験したことを確認しています。
過去の類似障害
Microsoftは、最近も同様のサービス障害を経験しています。
- 前週の水曜日には、Exchange Online、Microsoft Teams、管理センターを含むMicrosoft 365サービスへのアクセスを妨げる数時間にわたる障害が発生しました。
- 7月にも、エンタープライズまたはビジネスサブスクリプションを持つMicrosoft 365管理者が管理センターにアクセスできない同様のインシデントが発生しています。
これらの度重なる障害は、クラウドサービスの信頼性に対する懸念を浮上させ、企業が主要な業務をクラウドプラットフォームに依存する上でのリスク管理の重要性を改めて示しています。
まとめ
今回のAzure Front Doorの障害は、Microsoft 365サービスおよび管理ポータルへのアクセスを一時的に妨げましたが、Microsoftの迅速な対応によりサービスは復旧しました。しかし、過去にも類似の障害が頻発していることから、クラウドサービスの安定性と信頼性の確保は、今後もMicrosoftにとって重要な課題であり続けるでしょう。