TAG Heuerの新型スマートウォッチ、iPhone対応でセキュリティとプライバシーを強化

導入

高級時計ブランドのTAG Heuerは、新型スマートウォッチ「Connected Calibre E5」を発表しました。この新モデルは、これまでのGoogle Wear OSから脱却し、自社開発のオペレーティングシステム(OS)を搭載。さらに、Appleの「Made for iPhone」(MFi)認証を取得したことで、iPhoneユーザーにとってセキュリティと互換性の面で大きな進歩を遂げています。

「Made for iPhone」認証とセキュリティへの影響

「Made for iPhone」認証は、Appleが定める厳格なハードウェアライセンスプログラムの一部であり、対応デバイスがAppleの接続性およびソフトウェア基準を満たすことを保証します。Connected Calibre E5がこの認証を取得したことで、iPhoneとの統合が大幅に強化され、以下のメリットが期待されます。

  • より高速なペアリング
  • 信頼性の高いBluetoothおよびWi-Fi接続
  • iOSと連携した一貫したセキュリティアップデート

特に、通知、通話処理、健康データ同期といった主要機能がiPhoneとシームレスに動作するようになり、以前のWear OSモデルで課題となっていた点が改善されます。これは、ユーザーの機密性の高い健康データや個人情報の保護において、よりセキュアなエコシステムが提供されることを意味します。

自社開発OSへの移行

TAG Heuerは、2015年の初代スマートウォッチ以来、GoogleのWear OSに依存してきましたが、Connected Calibre E5では、パリの60人のエンジニアチームによって開発された独自の社内プラットフォーム「TAG Heuer OS」に移行しました。この新しいOSは、洗練されたインターフェースと高速なナビゲーションを実現しています。

自社OSへの移行は、TAG Heuerがソフトウェアのアップデートサイクルとセキュリティパッチの適用をより直接的に管理できる可能性を秘めています。これにより、潜在的な脆弱性への対応が迅速化されることが期待されますが、同時に、自社でOSのセキュリティを維持・強化するための継続的な努力が求められます。

主要機能とデータプライバシー

Connected Calibre E5は、心拍数モニタリング、血中酸素レベル(SpO2)、心拍変動、睡眠追跡、呼吸数、カロリー計算など、包括的なフィットネスおよびウェルネス機能を搭載しています。これらの健康データは非常に機密性が高いため、MFi認証によるiPhoneとのセキュアな同期は、ユーザーのプライバシー保護において重要な役割を果たします。

一方で、本モデルはサードパーティ製アプリ、Google Pay、LTE接続には対応していません。これは、機能の柔軟性を制限する側面があるものの、外部からの潜在的な脅威の侵入経路を減らすことで、セキュリティリスクを低減する効果も期待できます。

製品情報

Connected Calibre E5は、45mmと新しい40mmの2つのケースサイズで展開され、Qualcomm Snapdragon 5100+プロセッサを搭載しています。価格は1,600ドルからで、TAG Heuerブティックおよびオンラインで入手可能です。


元記事: https://www.macrumors.com/2025/10/08/new-tag-heuer-smartwatches-now-made-for-iphone/