Windows版Copilotがメール連携とOfficeドキュメント作成機能を強化

はじめに

Microsoftは、AIを搭載したデジタルアシスタント「Copilot on Windows」の機能を大幅に強化しました。今回のアップデートにより、Copilotはメールアカウントへの接続Officeドキュメントの生成・エクスポートが可能になります。この新機能は、Windows Insider Channelsを通じてバージョン1.25095.161.0以降のCopilotに順次展開されており、ユーザーの生産性向上に貢献すると期待されています。

メールおよびサードパーティサービス連携の強化

Copilotは、OutlookやGmailといった主要なメールサービスに加え、Google CalendarやGoogle Driveなどのサードパーティサービスとの連携が可能になりました。これにより、ユーザーはCopilotに指示を出すだけで、メール、ファイル、カレンダーから情報を検索し、要約させることができます。

  • 連携可能なサービス: OneDrive, Outlook, Gmail, Google Drive, Google Calendar, Google Contacts
  • 設定方法: Copilot Windowsアプリの設定ページを開き、「コネクタ」セクションで各サービスを有効化します。
  • 重要な注意点: これらのコネクタはデフォルトでは有効になっておらず、ユーザーによる手動での設定(オプトイン)が必要です。これは、ユーザーのプライバシーとセキュリティを考慮した設計であり、アクセス許可を慎重に検討することが求められます。

Officeドキュメント作成・エクスポート機能

今回のアップデートでは、Copilotがプロンプトの応答から直接Officeドキュメントを生成し、エクスポートする機能も追加されました。600文字を超える回答には、デフォルトでエクスポートボタンが表示されます。

  • 対応ドキュメント形式: Word, PowerPoint, Excel, PDF
  • 利用例: 「このテキストをWordドキュメントにエクスポートして」や「この表からExcelファイルを作成して」といった指示で、Copilotが自動的にファイルを生成します。
  • 利点: アイデア、メモ、データを、追加の手順やツールなしで、共有可能かつ編集可能なドキュメントに瞬時に変換できます。

展開状況とフィードバック

これらの新機能は、現在Windows Insiderプログラムの参加者向けに段階的に展開されています。そのため、すべての参加者がすぐに利用できるわけではありません。Microsoftは、ユーザーからのフィードバックを重視しており、Copilotアプリ内のプロフィールアイコンから「フィードバックを送信」を選択することで、意見を共有するよう呼びかけています。

セキュリティ上の考慮事項

Copilotがメールやクラウドストレージにアクセスする機能は、利便性を高める一方で、セキュリティとプライバシーに関する重要な考慮事項を伴います。ユーザーは、Copilotに与えるアクセス許可の範囲を十分に理解し、慎重に設定を行う必要があります。特に、機密情報を含むメールやドキュメントへのアクセスを許可する際は、その影響を考慮することが不可欠です。Microsoftはオプトイン方式を採用することで、ユーザーに制御権を与えていますが、ユーザー自身のセキュリティ意識がこれまで以上に重要になります。

今後の展望

MicrosoftはCopilotの機能を継続的に拡張しており、先月にはMicrosoft 365ビジネス顧客向けにWord、Excel、PowerPoint、Outlook、OneNoteでコンテンツ認識型Copilot Chatの展開を開始しました。また、Windows 11 PC向けには18歳以上のユーザーを対象とした「Gaming Copilot」もリリースされています。Copilotの進化は今後も続き、様々な分野でのAI活用が加速していくことが予想されます。


元記事: https://www.bleepingcomputer.com/news/microsoft/copilot-on-windows-can-now-connect-to-email-create-office-docs/