新型iPad ProにN1チップ搭載、Threadプロトコルを公式サポート
Appleの新しいM5チップを搭載したiPad Proが、同社の新しいN1ワイヤレスネットワーキングチップを搭載し、Threadスマートホームプロトコルを公式にサポートする初のiPadとなりました。N1チップは、Wi-Fi 7、Bluetooth 6、そしてMatterスマートホーム標準が動作する主要なワイヤレスプロトコルであるThreadを追加します。
他のiPadやMacにもThread無線が搭載されていると報じられていますが、今回が初めて公式スペックにThreadプロトコルが明記されたモデルとなります。この動きは、iPadが再びホームハブとしての役割を果たすための基盤を築く可能性があります。
Threadがスマートホームにもたらすメリットとセキュリティ上の重要性
Threadの搭載がすぐに大きな変化をもたらすわけではありませんが、iPhone 15 ProでのThread対応と同様に、ThreadボーダールーターがなくてもThreadスマートホームデバイス(スマートライト、ロック、プラグなど)をセットアップできるようになる可能性が高いです。これにより、デバイスの追加が容易になりますが、一部機能はボーダールーターなしでは制限される可能性もあります。
Thread無線をモバイルデバイスに搭載することの重要な利点は、Threadガジェットの**直接制御**が可能になり、**信頼性と速度が向上**することです。さらに、**セキュリティと可用性の観点から特に重要**なのは、既存のThreadボーダールーターが停電した場合でも、iPadがスマートロックなどのバッテリー駆動型Threadデバイスとの通信を維持できる点です。
Threadプロトコルは、スマートホームにおいて以下のメリットを提供します。
- 低遅延
- 低消費電力
- より信頼性の高いローカル制御
iPadのホームハブ機能の過去と未来
かつてiPadはApple Homeのハブとして機能し、自動化や外出先からのリモート制御を可能にしていました。しかし、2022年にAppleが新しいホームアーキテクチャを導入し、Matterへの移行を進める中で、iPadのホームハブ機能は段階的に廃止されました。現在でもiPadでHomeアプリを使ってデバイスを制御したり自動化を作成したりできますが、高度な機能にはApple TVやHomePod Miniのような別の専用ハブが必要です。
N1チップの搭載は、iPadを再びホームハブの役割に戻す可能性を示唆しており、これは多くのユーザーにとって歓迎すべき動きとなるでしょう。ただし、1,000ドル以上するM5 iPad Proをスマートホームのハブとして使うのは「やりすぎ」であり、より低価格またはコンパクトなモデル(iPad Miniなど)でのThread対応ホームハブ機能の方が、より実用的であるという意見もあります。
N1チップの今後の展開
N1チップがiPad Proに搭載されたことは、将来のApple製品、特に噂されている新しいApple TVやHomePod Mini 2にも搭載される可能性が高いことを示唆しています。これらのデバイスにN1チップが追加されることで、スマートホームハブとしての速度、応答性、そして**システムの信頼性**が大幅に向上する可能性があり、今後のAppleのスマートホーム戦略に注目が集まります。
元記事: https://www.theverge.com/news/799911/ipad-pro-thread-smart-home-apple-home-hub