YouTubeのトランプ氏との和解は贈賄か?上院民主党が疑惑を追及

上院民主党がYouTubeの和解に疑義

米上院の民主党議員グループが、YouTubeがドナルド・トランプ前大統領と合意した2,450万ドル(約36億円)の和解金について、その正当性を疑問視しています。議員らは、この和解がGoogleに対する進行中の独占禁止法訴訟において、トランプ政権からの有利な扱いを確保するための違法な贈賄にあたる可能性を警告しています。

エリザベス・ウォーレン(マサチューセッツ州選出)、ロン・ワイデン(オレゴン州選出)、バーニー・サンダース(バーモント州選出)、リチャード・ブルーメンソール(コネチカット州選出)、ジェフ・マークリー(オレゴン州選出)の5人の上院議員は、Googleのスンダー・ピチャイCEOとYouTubeのニール・モハンCEOに対し、和解交渉の詳細を求める書簡を送付しました。

和解の背景と内容

この和解は、トランプ氏が2021年にYouTubeからアカウントを停止された後に提起した訴訟を解決するものです。しかし、裁判所がソーシャルメディア企業がユーザーを禁止する権利をほぼ満場一致で認めていることから、この訴訟の法的根拠は「弱い」と指摘されています。和解金の大部分である2,200万ドルは、ホワイトハウスの新しい舞踏室の建設費用に充てられる予定であり、トランプ氏は本日、この舞踏室のための資金調達ディナーを開催すると報じられています。

Googleの独占禁止法訴訟との関連

議員らが特に懸念しているのは、この和解がGoogleが直面している複数の独占禁止法訴訟に影響を与える可能性です。Googleは現在、広告技術分野における独占を巡る訴訟や、検索分野における独占禁止法訴訟に巻き込まれています。司法省は広告技術訴訟において劇的な企業分割を求めていますが、トランプ政権がこの和解によって、より穏やかな解決策を受け入れる可能性が指摘されています。

議員らは書簡で、「YouTubeの和解が、トランプ司法省がGoogleに対して当初求めていたより厳格な救済措置を控訴し、追求するかどうかの決定に影響を与えるかどうかを国民は知る権利がある」と述べています。また、「もしYouTubeが、これらの救済措置を回避するために『法的に疑わしい訴訟』を解決したとすれば、同社とその幹部は連邦贈賄防止法およびカリフォルニア州の不正競争防止法に違反した可能性がある」と警告しています。

過去の警告と他社の事例

和解が発表される前の8月にも、これらの議員はGoogleとYouTubeに対し、有利な扱いを得るための支払いをしないよう警告していました。当時、両社は「いかなる潜在的な和解も、Alphabetまたはその関連会社が関わる公式な行動や係争中の、または将来の事項と結びつける議論は行われておらず、今後もそのような議論は行われない」と回答していました。議員らは、この回答が真実であったかどうかを突き止めるよう求めています。

YouTubeだけでなく、他の企業もトランプ氏の訴訟を和解させています。パラマウントは政府からの合併承認を求める中で1,600万ドルを支払い、XとMetaはそれぞれYouTubeと同様の訴訟で約1,000万ドル2,500万ドルを支払っています。ウォーレン議員は今年初め、Metaの和解について「贈賄のように見える」と発言していました。


元記事: https://www.theverge.com/policy/800193/google-youtube-senators-letter-warren-wyden-bribe