Microsoft Copilot、Windows 11で音声起動に対応 – プライバシーへの配慮も

Windows 11向けCopilotに音声起動機能が追加

Microsoftは、Windows 11のAIアシスタント「Copilot」に、「Hey Copilot」というウェイクワードによる音声起動機能を追加したことを発表しました。これにより、ユーザーは声だけでCopilotとの会話を開始できるようになります。この機能は、5月からWindows Insiderプログラムでテストされており、ユーザーエンゲージメントを大幅に向上させることが期待されています。

「Hey Copilot」機能の概要

この新機能は、ユーザーが「Hey Copilot」と話しかけることでCopilotを起動し、質問を投げかけることができます。会話を終了するには「Goodbye」と言うか、Copilotアプリの「X」をタップするか、数秒間操作がない場合に自動的に終了します。起動時にはチャイムが鳴り、Copilotが聞き取りを開始したことを知らせます。

また、「Copilot Vision」機能により、Copilotは画面上のコンテンツを分析し、設定のトラブルシューティング、段階的なガイダンスの提供、Windowsアプリやツールの使用方法の指導などを行うことができます。

セキュリティとプライバシーへの配慮

Microsoftは、この音声起動機能におけるプライバシー保護について強調しています。「Hey Copilot」は、オンデバイスの10秒間のオーディオバッファを使用し、このデータはローカルに保存され、決して記録されることはありません。ウェイクワードの認識自体はオフラインでも機能しますが、ユーザーのリクエストを処理するためにはインターネット接続が必要となります。

Microsoftの幹部であるYusuf Mehdi氏は、「人々はすでに毎日、ディクテーション、メモ取り、文字起こし、検索、そして音声アクセスや音声入力のような重要なアクセシビリティ機能のためにPCに話しかけています。今、あなたのPCはあなたを理解できるようになりました」と述べています。また、音声を使用するユーザーはテキストを使用するユーザーの2倍Copilotと関わっていることが示されており、この使いやすさがCopilotとのより深いエンゲージメントにつながると指摘しています。

Copilotの機能拡張

今回の音声起動機能の追加と並行して、Copilotはさらなる機能拡張も発表されています。これには以下のものが含まれます。

  • Office文書の生成: CopilotがOffice文書を生成できるようになりました。
  • サードパーティアカウントとの連携: Gmail、Google Drive、Google CalendarなどのMicrosoftおよびサードパーティアカウントに接続できるようになりました。これらのコネクタもオプトイン機能であり、Copilot Windowsアプリの設定で構成する必要があります。
  • Gaming Copilot: 18歳以上のユーザー向けに「パーソナルゲーミングサイドキック」として提供されています。
  • Microsoft 365ビジネス向けCopilot Chat: Word、Excel、PowerPoint、Outlook、OneNoteでコンテンツ認識型のCopilot Chatが利用可能になりました。

「Hey Copilot」の有効化手順

「Hey Copilot」機能を有効にするには、以下の手順を実行します。

  1. Copilotアプリの左下隅にあるアバターをタップします。
  2. 「設定」をクリックします。
  3. 「音声モード」までスクロールダウンします。
  4. 「『Hey, Copilot』を聞き取って会話を開始する」オプションをオンに切り替えます。

これらの新機能は、Windows 11ユーザーの生産性と利便性をさらに向上させるとともに、プライバシー保護にも配慮した設計となっています。


元記事: https://www.bleepingcomputer.com/news/security/microsoft-adds-hey-copilot-wake-word-to-windows-11-pcs/