VC界の重鎮ロン・コンウェイ氏、ベニオフCEOの国家警備隊発言を受けSalesforce財団を辞任

Salesforce財団における主要な辞任

ベンチャーキャピタル界の伝説的人物であり、Google、Airbnb、Metaへの初期投資で知られるSV Angelの創設者であるロン・コンウェイ氏が、Salesforce財団の理事を辞任しました。この辞任は、SalesforceのCEOであるマーク・ベニオフ氏が、トランプ大統領を「全面的に支持する」と発言し、国家警備隊がサンフランシスコの街を巡回すべきだと示唆したことに続くものです。

辞任の背景:ベニオフCEOの物議を醸す発言

ニューヨーク・タイムズ紙の報道によると、コンウェイ氏は10年間にわたりSalesforce財団の理事を務めてきました。同財団は、恵まれない若者の教育と労働力開発を支援することをミッションとしています。ベニオフ氏とコンウェイ氏は25年来の友人であり、長年にわたり左派的な政治的見解を共有してきましたが、ベニオフ氏の現在のイデオロギー的見解がコンウェイ氏を深く失望させました。

コンウェイ氏はベニオフ氏に送ったメールで、「あなたの最近の発言と、その影響を理解できないことに、私は深く悲しんでいます。長年尊敬してきた人物を、今ではほとんど認識できません」と述べています。ベニオフ氏は先週のニューヨーク・タイムズ紙のインタビューで、イーロン・マスク氏の政府効率化への取り組みを称賛し、移民取り締まりやトランプ氏の報道機関への攻撃に関する報道には「ついていけていない」と発言していました。これは、彼自身が2018年に買収したニュース雑誌「Time」を所有しているにもかかわらずです。

コンウェイ氏の懸念と財団への影響

ベニオフ氏の政治的発言は、Salesforce財団の評判とミッション遂行能力に潜在的なリスクをもたらす可能性があります。財団は2023年に3,600万ドルを寄付し、年末には4億ドルの資産を保有していましたが、主要な理事の辞任は、その運営と資金調達に影響を与える可能性があります。特に、恵まれない若者を支援するという財団の崇高な目的は、リーダーシップの政治的スタンスによって損なわれるべきではありません。今回の辞任は、組織の信頼性と公共イメージの維持がいかに重要であるかを浮き彫りにしています。

広がる政治的亀裂とテック業界の動向

ベニオフ氏は、以前は民主党を支持していたにもかかわらず、現在トランプ氏への支持を表明している多くの著名なテックリーダーや投資家の一人です。今回のベニオフ氏とコンウェイ氏の間の亀裂は、Salesforceの年次最大イベントであるDreamforceカンファレンス中に表面化しました。これは、テック業界における政治的意見の対立が、組織のリーダーシップや慈善活動にまで影響を及ぼし、内部の安定性や外部からの信頼を揺るがす可能性があることを示唆しています。


元記事: https://techcrunch.com/2025/10/16/vc-legend-ron-conway-quits-salesforce-foundation-after-benioffs-national-guard-comments/