超薄型スマートフォンの戦略転換
韓国のニュースメディアNewsPimの報道によると、サムスンは計画していた「Galaxy S26 Edge」の開発を急遽中止しました。これは、先行モデルである超薄型スマートフォン「Galaxy S25 Edge」の販売不振を受けたもので、同社は超薄型デバイス戦略からの転換を図っている模様です。
社内では、9月の時点で既に「Plus」モデルのようなより従来のフォームファクターへの優先順位のシフトが議論されており、超薄型フラッグシップに対する消費者の需要が予想よりも低いことが確認されていました。この突然のラインナップ変更により、社内は「混沌」とし、「困惑」していると伝えられています。
「Galaxy S25 Edge」の苦戦と市場の反応
「Galaxy S25 Edge」は、わずか5.5mmという薄型プロファイルと3,900mAhのバッテリーを特徴としていましたが、その高価格とバッテリー容量の削減が批判の対象となりました。このモデルは、標準のGalaxy SとUltraモデルの間に位置する、より洗練されたトレンド重視のオプションとして、「Edge」ブランドを復活させる試みでした。
しかし、発売からわずか5ヶ月足らずでの開発中止決定は、市場が薄型デザインよりも実用性を重視していることを示唆しています。
耐久性とバッテリー寿命への回帰
サムスンの経営陣は、耐久性、バッテリー寿命、その他の機能を犠牲にするニッチな薄型デザインを追求するよりも、より幅広い消費者にアピールするモデルに注力することを決定したと報じられています。これにより、同社は2026年のラインナップに「Galaxy S26 Plus」モデルを追加し、ベース、Plus、Ultraという従来の3層構造に戻る予定です。
「Galaxy S26 Edge」の開発は既に完了していたものの、この戦略転換により、今後はより堅牢な製品設計へと舵を切ることになります。
Apple「iPhone Air」への影響
サムスンのこの動きは、Appleの「iPhone Air」にとっても不吉な兆候となる可能性があります。AppleアナリストのMing-Chi Kuo氏は先月、「iPhone Air」が発売時に4つの新型iPhoneモデルの中で唯一容易に入手可能であったと指摘しており、予想を下回る需要を示唆していました。
また、日本の証券会社みずほ証券は、Appleが「iPhone Air」の生産を販売不振のため削減する計画だと報じています。これは、超薄型デバイスに対する市場の嗜好が、両社にとって同様の課題を提示していることを示しています。
今後の展望
サムスンは、既存の「Galaxy S25 Edge」の在庫を売り切り、在庫がなくなればそれ以上の生産を中止する計画です。この決定は、スマートフォン市場におけるデザインと機能性のバランスに関する重要な教訓となるでしょう。消費者は、単なる薄さよりも、実用性、耐久性、そして十分なバッテリー寿命を重視していることが浮き彫りになりました。
元記事: https://www.macrumors.com/2025/10/17/samsung-reportedly-gives-up-on-thin-smartphones/