はじめに
メッセージングアプリのWhatsAppは、スパム問題に対処するため、新たな対策を導入します。これにより、個人ユーザーおよび企業が、返信を得られないまま送信できるメッセージの数に上限が設けられることになります。
新しいメッセージ制限の詳細
WhatsAppの新しいポリシーでは、未知の相手に送信されたメッセージのうち、返信がないものが月間制限の対象となります。この制限は、アプリが本来の目的である個人的な連絡手段から、グループチャットやビジネスメッセージングを含む多機能ツールへと進化する中で顕在化した、過剰なメッセージ送信問題に対応するものです。
- 対象となるメッセージ: 未知の相手に送信され、返信がないすべてのメッセージがカウントされます。
- 制限値: 具体的な上限値は現在テスト中であり、公表されていません。
- 警告機能: ユーザーや企業が制限に近づくと、ポップアップで警告が表示され、メッセージ送信がブロックされるのを防ぎます。
- 対象ユーザー: WhatsAppは、平均的なユーザーがこの制限に達することはほとんどなく、主にメッセージを大量に送信するスパマーや企業を対象としていると説明しています。
このテストは今後数週間で複数の国で実施される予定です。
スパム対策の背景とこれまでの取り組み
WhatsAppの受信トレイが未読メッセージで溢れかえるというユーザー体験は、特にインドのような市場で顕著であり、ビジネスからのメッセージや未知の送信者からのメッセージが多数を占めています。WhatsAppは、このようなスパム行為を抑制するため、過去1年間で様々なツールや保護策を導入してきました。
- 2024年7月: 企業が送信できるマーケティングメッセージの月間上限をテスト開始。
- 2024年: ユーザーが企業からのマーケティングメッセージの購読を解除できるオプションを導入。
- 今年初め: ユーザーや企業が送信できるブロードキャストメッセージの数に制限を設ける実験を開始し、インドを含む12カ国以上で展開を拡大。
今回の未返信メッセージ数制限も、これらの継続的な取り組みの一環であり、ユーザー体験の向上とスパムの削減を目指しています。
ユーザーへの影響と今後の展望
WhatsAppは、今回の変更が一般的なユーザーのメッセージング体験に影響を与えることはないと強調しています。むしろ、悪質なスパム行為を行う個人や企業を効果的に抑制することを目的としています。この新しい制限により、ユーザーはより関連性の高いメッセージを受け取り、不要な情報に煩わされることが少なくなることが期待されます。